獣医さんのコラム(128)獣医さんが解説するライフステージの変化~わんちゃん編~

もくじ

1. ごあいさつ

2.ライフステージの変化~わんちゃん編~

  パピー期

  若犬期

  ・中年期

  ・高齢期

 

 

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

夏休みまでもう少しですね!

お盆休みは新しく家族を迎える方が増える時期です。

パピーさんがいるだけでお家の中が華やぐ一方で、わんちゃんたちは人の4倍の速度でお年をとっていきます。

今からお迎えする方も、もうすでにわんちゃんがお家にいらっしゃる方にもそれぞれのライフステージをご紹介させてもらえたらと思います。

ライフステージの変化~わんちゃん編~

パピー期

①社会化期

8週齢規制があるので、お家にお迎えするのは8週齢以降になると思います。

実はこの時期が1番重要で、大体12週齢ぐらいまでが社会化期と言われている時期で、いろんな経験をすることで適応力が広がる時期です。

人や環境に積極的に触れて、社会性を養ってあげたい時期です。

②免疫力

子犬さんはやっぱり免疫力は不安定です。

ワクチンの問題もあるので、わんちゃんとの接触には十分に気をつけていただき、体調を崩さないように注意しましょう。

ケンネルコフ(犬カゼ)やニキビダニの増殖(毛穴にいる常在ダニ)なども起こりやすいです。

③骨折、誤食に注意!

子犬さんは好奇心もいっぱいでまだまだ経験が足りないので、膝の上やソファーから落ちてしまったり、落ちているものを食べてしまったりと思わぬ事故が多い時期でもあります。

骨も柔らかいので、1歳ぐらいまでは1番骨を折れやすいので十分注意してください。

④しつけは重要!

わんちゃんは、教育されて色々なことを覚えていく動物さんです。

しつけはこの時期にしっかりして、悪いことを覚えないように注意してくださいね。

パピー期のわんちゃんは、子犬らしい人なつっこさが残っている時期です。

パピー期を抜けるにつれ、警戒心が出てきて、個々の性格がはっきりしてきます。

若犬期

①行動修正は早めに!

わんちゃんは賢い動物です。

悪いことを覚えるのは一瞬です。

そんな時は、なるべくこの若犬期までに行動修正をするようにしましょう。

お年をとればとるほど、なかなか困った行動を治せなくなってしまいます。

②生命力が溢れる時期

とにかくエネルギーに溢れる時期です。

反対をかえすと、まだまだ落ち着きがない時期でもあります。

③アレルギー発症注意

1歳以下で発症することも多いですが、一番発症が顕在化してきやすいのがこの時期です。

元々、かゆみがある子が悪化していよいよ薬での治療を始めたりすることも多い時期です。

④出産はこの時期を狙おう

子犬さんを産んでほしいと思う方は、この時期を狙ってもらうのが1番良いと思います。

出産は若い方がトラブルはやっぱり少ないです。

若すぎるのもダメなので、2〜3回目以降の発情を狙ってお相手を探してくださいね。

まだ子犬っぽい懐っこさが残っていることが多い時期です。

とにかくエネルギーに溢れている時期です。

中年期

5~6歳過ぎたあたりで中年期に差し掛かってきます。

中年期の特徴は

①白髪

白髪がポツポツ出てくる歳です。

わんちゃんは比較的白髪が出てくるのが早い動物で、特に黒毛の子は中年期から顔まわりを中心に白髪が混ざりだします。

②行動が落ち着いてきます

子供っぽさの残る若犬期は完全に抜けて、落ち着いてくる子が多いです。

遊びの時間も減ってくる頃です。

③大病を患う子がチラホラでる頃です

まだまだ若いと思っていたら、6~7歳くらいで一定数、腫瘍などの大病を患うわんちゃんが出てくる時期です。

人間に置き換えると、30代にあたるので身近で病気にの話を聞くころというのはわんちゃんも人も一緒です。

中年期はまだまだ若いと思っていたら、ある日歳をとったなぁと感じる時期です。

個人差がありますが、病気もでだす頃なので注意してあげてくださいね。

高齢期

9~10歳を超えると本格的な高齢期の始まりです。(大型犬だともっと早い!)

①寝ている時間が増える

寝ている時間がだんだん増えてきて、シニアになればなるほど眠りが深くなってきます。

声をかけても寝ていて気づかないといことも起こるようになってきます。

②性格も落ち着いてくる

怒りっぽい子は丸くなってくることが多いです。

一方で、シニア期になると頑固になってくる子もいます。

特に、男の子でその傾向が出てくる子が多いと思います。

③持病が増える

慢性疾患を抱える子も増えてきます。

ホルモンの問題や心臓病、気管の問題、肝臓の数値、関節症など

それに伴い薬を常用することも多くなってくる時期です。

④痩せてくる

高齢期に入りたての頃は代謝が落ちてくるので太りやすいと言えますが、

シニア期が進んでさらに歳をとってくると今度は痩せてくる子が多いです。

⑤見た目の変化

白髪がますます増えて、皮膚も垂れてきます。

水分量が減ってきて、乾燥とは違う高齢期特有のカサつきが出てくる子が多いです。

最後に

わんちゃんたちは、あっという間にお年をとって自分たちの年齢を追い越していきます。

若い若いと思っていたらあっという間です。

中年期以降は若いときとは同じにはいかなくなってくるので、暑さや寒さ、運動量の調整をしてあげてくださいね。

次回はねこちゃん編をおおくりしたいと思います!

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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