
もくじ
1. ごあいさつ
3.最後に
ごあいさつ

こんにちは。
オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。
夏休みまであと少しですね。
夏休み中、動物さんを連れて故郷に帰省される方も多いと思います。
本日は、そんな帰省のときに気をつけてほしいことをまとめてみました。
獣医さんが解説する帰省の時の注意点~夏編~

温度管理に注意
帰省に公共交通機関を使われる方も多いと思います。
冷房の効いた室内はよいのですが、問題はお外を移動するときにキャリーの中は思っている以上に暑くなりがちということです。
移動する時は、キャリーの中の温度管理も考えておきましょう。
温度管理にアイスノンをキャリーの中に入れるのもひとつの手だとは思うのですが、アイスノンは柔らかいだけに誤食したりといったケースも意外と多いです。
そこで、よくおすすめしていたのは、水入りのペットボトルを凍らせてキャリーの中にタオルなどに包んで入れる、もしくはキャリーを袋の中に入れて移動する場合は外側に設置することです。
冷房の効いた室内に入ったら外して温度調整しやすいのと、溶けたお水を飲水用に活用できるので便利です。
移動中は、熱中症にならないようにマメに飲水をさせてあげてくださいね。
乗り物酔いに注意
人も乗り物酔いをする人としない人がいると思いますが、わんちゃんやねこちゃんでも同様です。
酔いやすい子は嘔吐したり気持ち悪くてよだれが出たり、パンティングが止まらないというような症状が出ます。
乗り物に弱そうな兆候があるようであれば、動物病院で乗り物酔いの薬がほしいとお伝えください。
最近は、酔いどめとして吐き気どめの一種のセレニアという薬を処方することが多いです。
酔い止めは、乗り物に乗せる1時間前には飲ませていただくとよいです。
薬があるのとないのでは、移動の体への負担が本当に違うので使ったことがない方はぜひ一度試してみてくださいね。
慣れない環境に注意
移動の大変さはもちろんですが、移動先もやっぱりいつもと違う環境であることは間違いないです。
環境がかわると、消化器症状はやっぱり出やすいです。
食欲が落ちたりということも起こりやすいので、環境の変化に弱い子は食べ慣れたトッピング食などを用意しておくといいと思います。
あとは、心臓系や内分泌系の持病があるわんちゃんやねこちゃんは投薬をとばしてしまわないように注意してくださいね。
状態が不安定になる場合もあるので、移動先で頼れる病院を探しておくとさらに良いと思います。
薬に関してはどの病院も同じ薬があるわけではないので多めに用意しておいたり、いざという時に薬の種類や用量(どれくらいの量を使っているか)がすごく重要なので、わかるものを用意しておいてもらうと良いです。
予防に注意
場所によって寄生虫などの流行などもかわるので、夏の時期はノミダニやフィラリアの予防は忘れないようにしておきましょう。
昨日、コラムで紹介したSFTS(重症熱性血小板減少症候群)も西側の地域で発生が多い病気です。
その他にも、水辺で感染するレプトスピラ感染症も西側で多いので注意しましょう。
北海道では感染したネズミを口にしたりすることでエキノコックス症という病気に感染することも稀に報告されています。
感染するようなシュチエーションにも注意しながら、予防薬で防げるものも多いのでしっかり予防してあげてくださいね。
最後に
帰省のために移動しても、びくともしないストレスに強い子から、乗り物に弱い子、環境の変化で必ずお腹を壊す子などなど、わんちゃんねこちゃんもいろいろです。
お家の子の性格や体の状態に合わせて無理のない移動計画をたててあげてくださいね。
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者
2010年 北里大学獣医学部卒業
大阪、東北の動物病院を経て、
2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医
2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務
2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ