
もくじ
1. ごあいさつ
2.オンライン相談の使いどころ~オンライン相談と診療の違い~
3.最後に
ごあいさつ

こんにちは。
オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。
本日は、手前みそかも知れないなと思いつつ、オンラインってどう使えばいいかわからないと言われることが多いので、オンラインとは?というお話をしたいと思います。
どう使っていいかわからないという方の参考になれば幸いです!
オンライン相談の使いどころ~オンライン相談と診療の違い~

オンライン診療とオンライン相談の違い
最初に、オンラインで受けれるものとしてオンライン診療とオンライン相談があることを解説できたらと思います。
この2つは、実際にやっていることは大きな違いはありません。
ビデオ通話で、動物さんの状態を確認させてもらったり、飼い主さんから稟告を聞き可能性が高いものを考えていきます。
ただ、診療がつくと最終的に診断名をつけていく形になるというのが大きな違いです。
この診断をつけるということが薬の処方のために必要です。
なので、オンライン診療は薬の処方をしますが、診断をつけないオンライン相談では薬は処方できません。
オンライン診療の方がいい?
ここまでの話だと、オンライン診療の方がいいんじゃないか?と思うかもしれないですが、そういうわけではないのがややこしいところかもしれません。
というのは、人とは違い動物医療では、患者さん本人が喋ることができないので問診と視診だけで診断名をつけることが難しいからです。
そのため、農水省が「愛玩動物におけるオンライン診療の適切な実施に関する指針」という形で制限を設けています。
この中で、基本的にオンライン診療を受けることができるのは、日頃、実際にその患者さんを診ているかかりつけに限るとされています。
であれば、かかりつけの病院にオンライン診療をしてもらったらいいのでは?となると思いますが、多くの病院は、病院を受診する患者さんの対応で忙しく、オンライン診療まで手が回りません。
それを踏まえると、今の段階では人のようにオンライン診療を行うことが難しいのです。
ただ、人よりもオンラインが必要だと思うシュチエーションも多く、
・病院に行くことが移動の問題で難しい患者さんがいる
・病院に行くことにストレスを感じる患者さんがいる
・救急システムなど医療に地域差が大きい(都会に集中しがちで救急がない地域も多い)
・言葉を喋れないので、病院に行くべきタイミングが判断しづらい
といったことも動物さんならではだと思います。
こういったことを考えるとオンラインという手段は人に負けない有効性があると思います。
そこで、今現在は診断をつけることを目的としないオンライン相談という形で、必要な判断や医療知識を提供しされていることが多いです。
Talkvetsでもオンライン相談を実施しています。
オンラインの使いどころ
最後に、獣医さんからの視点でこういったケースでオンライン相談をつかってもらうことで、動物さんのために確実によりよくできることをあげてみたいと思います。
①セカンドオピニオン
治療方針を決めるときや治りが悪く治療が停滞しているときは、複数の獣医師の意見を聞いた方がいいです。
獣医さんは個々の好みで外科をおすことが多い人や内科で治療したがる人まで偏りがあったり、どうしても分野によって得意不得意があったりします。
獣医さんからこうしましょうと言われると、それが1番良いと思いがちですが必ずしもそうではないということも多いので迷ったらセカンドオピニオンをとることをおすすめします。
特に、オンラインだと自分の得意不得意や自院でできるできないなどとは関係なく、純粋に獣医学的な意見を言えるのでより力を発揮できると思います。
②病院選び
セカンドオピニオンにも関連してきますが、治療に行き詰まったときはこのままでいいのか悩むことがあると思います。
そういった場合も、転院した方がいいのか、このまま頑張るべきなのか、それとも少し距離があっても専門医を探すかなど、いろいろなケースが考えられると思います。
どうすれば解決に近づけるのかは、インターネットで検索しても答えがでません。
専門家が1番よく知っているので聞いてもらった方が確実に早いです。
③余計な検査がいらない
何かを少し聞きたいだけでも、病院に行くと検査を勧められたりと思っていないことをしないといけないケースもあると思います。
そういった場合にもオンラインをおすすめしたいです。
オンラインでは検査を前提にしていないので、聞きたいことだけ聞くことができます。
もちろん、検査が必要そうなケースではどういった理由で何の検査が必要でありそうかをお話ししています。
④状態の判断
動物さんの様子がおかしいとき、遠くても夜に救急病院まで行くべきか、それとも様子をみるべきか、はたまた明日仕事を休んで病院に連れていくべきか、もう少し様子をみてもいいのかなど
しゃべれないだけに判断が難しいことはよくあると思います。
動物病院で診察していると、もう少し早く来ていればというケースによく遭遇します。
何かおかしいとき、自分で判断せずに獣医師に相談してもらえたらと思います。
⑤海外在住の方のケース
海外在住で言葉が完璧でない場合、動物さんが不調になったときは特に大変だと思います。
用語を調べていったり、話される内容についていくために下調べをしたりも必要だと思いますが、実際にどういう可能性があるかを自分で判断して調べるのには限界があります。
どういったケースが考えられるか、どんな検査を言われる可能性があるかをお話しして備えるお手伝いはもちろん、母国語で相談できるので不安を解消するお手伝いもできると思います。
また、受診後のフォローやちょっとしたことも質問していただけるので頼っていただければと思います。
最後に
まだまだ知名度が低いオンラインですが、すごく役にたつシュチエーションも多いなと感じています。
Talkvetsでやっていることなので宣伝のようになってしまうと嫌なのですが、これからもっと広がっていくと動物さんとの生活がより豊かで幸せになると思います。
悩んでいる方はぜひ一度相談してみてくださいね。
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者
2010年 北里大学獣医学部卒業
大阪、東北の動物病院を経て、
2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医
2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務
2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ