獣医さんのコラム(138)獣医さんが解説するねこちゃんの皮膚炎?それ腫瘍です

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説するねこちゃんの皮膚炎?それ腫瘍です

  皮膚炎だと思ったら実は腫瘍!?

  その腫瘍とは?

  ・検査、治療は?

 

 

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

もう、8月も半ばですが今年もまだまだ暑いですね…

さて今日は、ねこちゃんの皮膚のできものについて書いていこうと思います。

獣医さんが解説するねこちゃんの皮膚炎?それ腫瘍です

皮膚炎だと思ったら実は腫瘍!?

ねこちゃんはわんちゃんと違って、実は皮膚のできものが少ない動物さんです。

わんちゃんは、お年をとってくると皮膚にボコボコと小さいできものができる子も多くて、そのほとんどが良性の腫瘍ですが、ねこちゃんの場合は皮膚にできものを見つけたら少し注意した方がいいです。

今日はそんなねこちゃんの皮膚のできものの中でも、かさぶたとじゅくじゅくで一見すると皮膚炎や虫刺されのようのも見えるけど…実はという腫瘍をご紹介したいと思います。

その腫瘍とは?

その腫瘍とは肥満細胞腫という腫瘍です。

この腫瘍は、肥満細胞という中にヒスタミンという炎症に関わる物質を中に蓄えた細胞が腫瘍化したもので、

ヒスタミンが放出されることで表面に炎症が起こってじゅくじゅくしたり、かさぶたができたりします。

頭や首にできることが多いので、病院でも比較的診る機会が多いです。(ねこちゃんの皮膚腫瘍の中では2番目に多い腫瘍です)

幸いなことに皮膚型の肥満細胞腫は穏やかな挙動をするものが多いですが、一部、悪性度が高いものがあります。

検査、治療は?

病院にこの症状のねこちゃんがきたら、まずガラスの板(スライドガラス)を表面に押し付けて細胞をとり、

それを顕微鏡でチェックします。

そこで、肥満細胞が疑われた場合はそのスライドガラスを外の検査機関に出して診断をもらいます。

診断の結果、肥満細胞腫を疑うという結論が出た場合は、基本的に外科的な摘出を行います。

手術で摘出した腫瘍を術後にさらに検査に出して、悪性度が高い場合は術後に薬を使ってさらに治療をすることもありますが、悪性度が低い場合は術後は経過観察のみになることが多いです。

先生によって、多少違うところがあるかもしれませんがこれが一般的な流れです。

悪性度が高くなければ、取ってしまえば再発せず過ごせることが多いです。

最後に

わんちゃんにも皮膚型の肥満細胞腫があるのですが、わんちゃんとねこちゃんでだいぶ挙動が違うのが特徴です。

ねこちゃんの方が悪性度が低いのですが、気づきづらいのが難点です。

もし、怪しいできものがある場合は様子見せずに相談してくださいね!

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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