
もくじ
1. ごあいさつ
3.最後に
ごあいさつ

こんにちは。
オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。
先週と今週と9月は祝日が多いですね。
気温も少し?過ごしやすくもなってきて、お休みにお外に出る機会も増えているのではないでしょうか?
そんなお外に出る機会の多い季節に慢性的な痛みが出る病気をご紹介したいと思います!
獣医さんが解説する動物さんも関節はお大事に!前編

動物さんの関節症
人で足腰が痛い…という話はよく聞きますよね。
人によっては、膝や股関節を人工関節に入れ替える手術を受けたと言う話もちらほら耳にします。
実は、動物さんでも同じ関節の病気があって人間と同じように痛みを出しています。
その病気は、病名でいうと変形性関節症という病気です。
ちょっと難しくいうと、関節軟骨の変性と破壊、関節での骨増生、そして二次的な滑膜炎を伴う進行性の非感染性関節疾患ということになります。
つまり、だんだんと関節の中が破壊されて骨がゴツゴツとしてくる病気です。
人と同じように慢性痛が出る病気なのですが、動物さんだと触って痛がるというような種類の痛みではないのでどうしても気づきにくい病気でもあります。
データ上も実際に診察していても動物さんの関節症はとても多いです。
どれくらい多いのかと言うと、国内のデータで
レントゲン上に変化が現れた変形性関節症を調べると、10歳以上の高齢のわんちゃんで17.7%で変形性関節症が認められたと報告されています。
同じグループの研究で、ねこちゃんの場合は10歳以上で61.8%が変形性関節症もしくは変形性脊椎症が確認されています。
ちなみに、これはレントゲンに現れたものを調べているので、初期のレントゲンでは変化がわからないものを合わせるとさらに数は増えると思われます。
実際に、診察している感覚でいうと、わんちゃんで関節症を疑う子はもっと多いです。
特になりやすい要因?
この病気の厄介なところは、環境や体の要因のほかに遺伝的なことも関わってくると言うことがあります。
なんとなく想像がつくかもしれませんが、
関節症に関わる要因としては
①体重
1番の天敵は肥満なのは間違い無いです。
一見してそこまで体重が多く見えなくても、体格に対してオーバーしていると関節には大きな負荷がかかります。
②年齢
高齢になればなるほど発症率は高くなります。
③運動過多
運動負荷がかかっていたりということも発症の原因になります。
④関節に関連した既往歴
前十字靭帯の損傷や股関節脱臼などの既往歴があると、完治していたとしても将来的な関節症のリスク因子です。
さらに、遺伝的に起こる膝蓋骨内方脱臼のような膝の遺伝的な形態異常や股関節形成不全といった股関節の形態異常、スコティッシュフォールドの骨軟骨異形成症などを抱えていることが関節症にかかわってきます。
最後に
前編、後編に分けておおくりするので本日はさわりだけ取り上げてみました。
明日は臨時休業をいただいているので明後日は、症状や治療の話を取り上げたいと思います!
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者
2010年 北里大学獣医学部卒業
大阪、東北の動物病院を経て、
2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医
2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務
2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ