獣医さんのコラム(166)獣医さんが解説する抜け毛の季節到来!換毛期の話

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説する抜け毛の季節到来!換毛期についての話

  換毛期って?

  わんちゃんの換毛期の話

  ・ねこちゃんの換毛期の話

 

 

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

秋は過ごしやすくて1番良い季節かもしれません。

ただ、ペットと一緒に暮らしているとちょっとだけお掃除が大変な季節かもしれませんね。

そう!秋は換毛期の到来する季節です!

今現在、ペットと暮らしている方も今からお迎えしようと思っている方もぜひ今日は換毛期について知ってもらえると幸いです。

獣医さんが解説する抜け毛の季節到来!換毛期の話

換毛期って?

わんちゃんやねこちゃんには、古い毛が抜けて新しい毛に生え変わる時期が年に2回あります。

まずは、春。

春は冬毛が夏毛に生え変わる季節です。

次に秋。

秋は今度は夏毛が冬毛に生え変わります。

この換毛期には、日照時間や温度、栄養状態、ホルモン状態などが関連していて、その子にもよりますが通常4週間〜8週間程度と言われています。

換毛は、季節の変化に合わせて被毛の量や密度、質を変化させる重要な生理現象です。

ただ、そうは言っても一年中毛が抜けている気がするといわれることもよくあります。

これは、室内で温度が一定のところで生活している子で起こりやすい現象で、季節感がはっきりしないことが原因です。

この場合、なんとなく抜け毛が増えるような気はするものの一気に生えかわらず、ズルズルと抜け続けるということがよく起こります。

また、お年をとってくると換毛期が延長して、若い頃のように一気に生え変わらなくなってくることもよくあります。

たかが毛がわり、されど毛がわり。

生理現象ではあるものの、実は病気のもとになることがあり、人間が少しお手伝いしてあげた方が良いケースも多いです。

そこで、わんちゃんとねこちゃんに分けて換毛期の注意点などをまとめてみました!

わんちゃんの換毛期の話

わんちゃんにはダブルコート(下毛が深い)のわんちゃんとシングルコート(下毛がうすい)のわんちゃんがいます。

特に、ダブルコートのわんちゃんはブラッシングをしないと、すでに抜けた下毛が体にとどまり続けてしまうことがよくあります。

下毛が体の表面に残った状態だと、皮膚のターンオーバーが乱れてフケが出たり、皮膚の常在菌が繁殖して皮膚炎などを起こしたりしやすくなります。

ホットスポットと言って、毛の根本の部分で細菌が増殖して皮膚炎を起こし、ある日上に被っていた被毛が脱落して円形の皮膚炎が現れるといったこともよくあります。

ダブルコートのわんちゃんは換毛期は毎日ブラッシングしていただくのがベストです!

ちなみに、ダブルコートの犬種は

柴犬、秋田犬などの日本犬と言われる種類

シベリアン・ハスキー、コーギー、サモエドなどのいかにも雪国に強そうな犬種

意外とゴールデンレトリバー、ラブラドールレトリバーもそうです。

シェルティーやポメラニアンも毛が細いながらダブルコートの犬種です。

わんちゃんのお迎えを検討されていて、毛の問題が心配な方はこのダブルコート、シングルコートということにも注目していただくと良いかもしれません。

ねこちゃんの換毛期の話

昨今、ねこちゃんは室内飼いが多いので、室温と照明の関係で一年中毛が抜け続けるという子がすごく多いです。

ただ、その中でもよく見ると春と秋は抜ける量が増える季節です。

ねこちゃん達は元々の習性として自分でグルーミングをするので、抜け毛の季節は毛玉を吐くことが多くなります。

毛玉を上手く吐ければ体には大きな問題はないのですが、なかなか吐けなくて空吐きする子もいるので、

人間がブラッシングをして少し助けてあげるといいと思います。(お部屋に帰ってきた時の吐物の処理も減ると思うのでお互いwin-winかもしれません。)

その他に、もっと深刻なのが長毛種のねこちゃんです。

長毛種の子の場合は、グルーミングをして飲み込む毛の量が多いので、時々上手く毛玉を吐けずに腸に下り、自分の毛玉で腸閉塞を起こす子がいます。

これに関しては、いくら誤食に気をつけていても運次第でどの長毛種の子でも起こりえるので、

長毛種=ブラッシング必須!(特に春と秋)と思ってください。

ちなみに、長毛だと毛質によりますがブラッシングをサボると皮膚の上に鎧のような毛玉ができてしまい、

麻酔をかけて丸刈りにしないといけなくなる子もいますので注意です!

最後に

ちなみに、余談なんですが最近のコームは毛がよくとれるので、ついつい夢中でブラッシングをするとねこちゃんのシマ柄が薄くなります!

一気にせずに毎日こまめにしましょうね。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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