
もくじ
1. ごあいさつ
3.最後に
ごあいさつ

こんにちは。
オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。
昨日に引き続き、災害対策の話なのですが、実際に避難となるとかなり厳しい現実が待っています。
今日は、ちょっと厳しい話も含めどうしていけばいいかを考えてみたいと思います。
獣医さんが解説する避難するときの基礎知識!

避難の基本
ペットの防災に関しては、2011年の東日本大震災でペットと飼い主さんをめぐる問題が多発したことがきっかけで、『人とペットの災害対策ガイドライン』が策定され、飼い主・自治体・民間団体それぞれの備え・役割を明確にする取り組みが始まりました。
それによって、2018年以降は「同行避難(ペットと一緒に避難する)」が国の基本方針です。
ただし、ペットを飼っている人にとって厳しいのが、「避難所に一緒に入れる」という意味ではなく、「ペットを連れて避難場所まで行動する」ことを前提とした基本方針であるということです。
でも実際は…
ニュースなどで、避難所の脇にペットが過ごすケージ施設が設置されている光景などが放送されていたりしていますが、ペットたちがどうなるかは災害、避難が起きてみないとわからないというのが実際のところです。
災害が起こったときに、優先されるのはあくまで人命で、避難所でもペットに理解がある人ばかりではないということも、ペットと飼い主さんにとっては厳しい事実だと思います。
また、実際問題としてさらに理解が必要なのは、
ペットの居場所が確保されるまでは、あくまで飼い主さんの自助が必要ということです。
各避難所での明確な記録がないのであくまで参考の話なのですが、
令和6年の1/1に起こった能登半島地震では15日後に動物病院での被災動物の一時保管や診療が開始されたという記録が残っています。
それを踏まえると、災害発生から避難所でのペットの保管場所の設置やルール設定、獣医師会によるサポートが入るのに1週間単位の時間がかかる可能性があります。
それまでの、周りの方々とのトラブル回避や居場所の確保は飼い主さんの努力が必要であることを踏まえて準備と心構えが必要であることをぜひ覚えておいてください。
備えを大切に!
現実的な話をすると、昨日のコラムでお話しした薬や食料、医療記録の準備に加え、ルールやペットに居場所が公的に運営されるまでの間は自力で居場所を確保して、周りの人との摩擦が起きにくい状態を確保しないといけません。
そこで、薬や食料、医療記録に加え
①簡易ケージ
すぐに持ち出せるように、組み立て式のソフトケージを用意しておくといいと思います。(かなりコンパクトになるものが市販されています。)
ねこちゃんは特にそうですが、お利口にできるわんちゃんでも、どこかにしっかり入れてあるということが周りの人たちへの安心感になると思います。
②ケージの中で過ごせるトレーニング
災害時のペットの問題点として必ず上がってくるのが、ケージ慣れ不足です。
ケージに慣れずに吠えてしまうことで、非ペット同行者との摩擦になってしまうことがどうしても問題になってくるので、ケージ慣れは一つの課題だと思います。
③トイレ、食器の確保、清潔に保てる工夫
ねこちゃんは特に簡易ケージの中に入れる小さなトイレと、砂の代わりに使ったり敷いたりできる新聞紙など、お水を汲める容器、臭い問題に対応できるようなグッズもできれば備えておきましょう。
④地域ネットワーク
避難先での施設設置やルールは、その時の人の状況によって流動的に決められることを踏まえると、
もし可能であればご近所のネットワークはあった方がいいと思います。
やはり、動物好きな人たちの団結力がものを言うというのも実際にあるというところです。
最後に
今日はかなり現実的な厳しい話をしてみました。
自分がペットと暮らしていると忘れがちなのですが、災害の時はどうしても動物さんは二の次になってしまいます。
自分の大切な家族を守るために、自分の準備と努力が必要なことを理解してもらい、備えてもらえたらと思います。
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者
2010年 北里大学獣医学部卒業
大阪、東北の動物病院を経て、
2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医
2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務
2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ