
もくじ
1. ごあいさつ
3.最後に
ごあいさつ

こんにちは。
オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。
年末は、新しく動物さんをお迎えする方が増える時期でもあり、長期のお休みで動物さんと一緒に過ごす時間が増える時期でもあります。
環境整備に関しては、獣医さんに言われてからということが多いと思いますが、実はお迎えするときにもぜひ考えておいてほしい話題のひとつでもあり、大掃除をするような時期に思い切ってしてもらうといいなということでもあります。
そこで今日は、環境整備を考えるタイミングやどこに注力するべきかを書いてみたいと思います。
獣医さん解説するペットのおうち環境を豊かにする工夫

特にお家環境を整えるのに最適だと思う時期
動物さんのために〜した方がいいというような話はなんとなく聞いたことがある方も多いのではないかと思うのですが、では実際にどの時期にするのがベストなのかというところにも、フォーカスしてみたいと思います。
獣医さんが考える理想的な時期としては、
大まかにいうとお迎えされた後〜成犬と同じことができるくらいに成長する前が良いと思います。
レイアウトをかえたりは、時間も労力もお金もかかることだと思うので、お迎えしてからその子のもつウィークポイントを見極めつつ早めにというところと、何かを変更したときに違和感なく受け入れてもらうために幼い時の方が有利なことが多いというところがミソかなと思います。
あとは、犬種や猫種によって確実に気をつけた方がいい部分があるので、それを知っておくこともおすすめします。
一例として、M.ダックスフンドさんは腰、T.プードルやチワワさんは足、スコティッシュ・フォールドは関節はその子自身の性質というより、犬種・猫種全体で環境整備に気をつけた方がいいと思います。
①小型犬は特に『床』
小型犬さんは先天的な骨格の問題として膝蓋骨内方脱臼という膝のお皿が外れてしまうという病気を多かれ少なかれ持っていることが多いです。
特にT .プードルさんやチワワさんなどに至っては、ほぼみんな持っていると思ってもらっていいほど、多かれ少なかれ膝蓋靭帯が緩い子が非常に多いです。
こういった身体的な特徴は、ワクチンや予防などのときに獣医師に指摘されることも多いです。
ただ、実際に環境整備について話されるのは、膝の問題が主訴として受診したときになりがちです。
実はこの膝の疾患に関しては膝の脱臼自体が問題になることもありますが、それ自体はあまりはっきりとした症状を出さずに、のちのち関節症の進行や、膝に負担がかかることでの膝の中の靭帯の損傷などが問題になることもとても多いです。
そのため、症状が本格的に出てきて獣医師に指摘されてからというよりは、膝の問題がわかった時点で滑らない環境の整備を薦めてもらった方がいいと思っています。
ちなみに、ペットショップさんで受けている獣医さんの身体検査の結果は成長するにつれてかわっている可能性もありますし、骨格の問題が多すぎてあえて軽度だと指摘しないこともあるので、お迎えされたときに特に膝の指摘をされたことがないという子でも、ぜひ病院に来たときに膝の状態を獣医師に尋ねてみてくださいね。
ちなみに、床への工夫としては滑らないようにというところがメインなので滑らないフロアタイルでもカーペットでも、ジョイントマットのようなものでも大丈夫です。
その子とお家のレイアウトにあうものを取り入れてもらえたらと思います。
ちなみに、ねこちゃんでも膝蓋骨脱臼は時々ある病気です。
ねこちゃんは身体検査で膝を評価しにくく、膝蓋骨の緩さを見つけにくい動物さんなので、後ろ足が時々ヒョコヒョコするという症状がある場合は、一度受診して膝蓋骨が原因であれば滑りにくい環境を考慮してもらったほうがいいと思います。
②危険がいっぱい『キッチン』
わんちゃんも、食欲旺盛で人間の食べ物が大好きな子から全く興味を示さない子まで様々ですが、ねこちゃんに比べると人の食べ物を誤食しやすい動物さんです。
人間の食材は、動物さんにとって中毒性があるものも多いのとお料理中に落としたものを誤食して受診されるケースもとても多いので、台所を入っていい場所だと思ってしまう前に入らせないように環境整備してもらった方が安全だと思います。
ちなみに、入ってOKだと思っている場所を急に禁止にされても受け入れられなくて、ワンワン吠えてしまうというパターンも結構多いので、やはり早めに対策を開始してもらうといいと思います。
ねこちゃんの場合は、柵を乗り越えてしまうのでなかなかコントロールするのは難しいかもしれませんが、美味しいものがキッチンにあるという学習をしないように心がけておいてくださいね。
③性格が重要『おもちゃ』
おもちゃに関しては、噛みちぎって食べてしまうわんちゃんがいたり、紐や服を噛みちぎって飲み込んでしまうねこちゃんがいたりします。
そういう子たちは小さい時からそういった行動をとるようになり、成長してもなかなか嗜好がかわらないことが多いです。
お迎えする前に、性格を把握することは難しいですが誤食しやすい子がいることは知っておいてください。
動物さんのおもちゃをしっかり監視下以外には持ち出せないようにするとともに、お部屋の中の物や飾りも口に入らないように整理しないといけないこともよくあります。
特に子どもさんのおもちゃを管理するのが難しいというパターンによく出会います。
その場合は、動物さんの行動範囲をお部屋一つに制限するか、おもちゃなどを徹底して一部屋にしてしまうか、いずれにしても早めにルールを決めて環境整備をする必要があると思いますので、こういったケースがあることを知っておいてもらえたらと思います。
④よく問題になる『ソファー』
そして最後に、よく問題になるのがソファーです。
多いのは、ソファーに乗ることが習慣化していた中で、膝蓋骨の問題や腰の問題が指摘され、飛び乗り飛び降りをしないように階段をつけても、その階段を使ってくれないというような問題です。
これが、早めに環境整備をしたほうがいい理由のひとつなのですが、お年をとってから環境整備をしようとすると飛び乗る飛び降りることに慣れている動物さんの行動をかえることがかなり難しくて、どうしてもソファーを撤去する、もしくはローソファーに変更しないと解消できないというようなことになりやすいです。
なので、成長段階や犬種的なものを見て、将来を見越した環境を大人になりきる前に整備しておいてもらうと生涯にわたって安心に生活が送れると思います。
最後に
その他にも、観葉植物やお花の取り扱いやゴミ箱の管理、おトイレの場所などあげだすと色々あるのですが、
今日はこの4つについて書いてみました。
もう大人になっていて…という子もいると思います。
大人になっていても、まずは変更できるかトライしてみてください。(意外とすんなり変更できる場合もあります。)
ただ、受け入れてもらえない場合は、どうしてもズルズルそのままになりがちなので、ぜひこの年末を機会に、思い切って買い替えたり、人間側の生活ルールの変更したりしてみてもいいかもしれません!
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者
2010年 北里大学獣医学部卒業
大阪、東北の動物病院を経て、
2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医
2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務
2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ