獣医さんのコラム(240)獣医さんが解説する犬のてんかん発作のトリガーとは?

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説する犬のてんかん発作のトリガーとは?

  ストレス

  睡眠周期の乱れ

  天候

  発情周期

  光や音刺激

  身体の不調

  薬の飲み忘れ

 

 

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

昨日取り上げたお天気と動物のコラムで、「てんかん発作」の話が少し出てきたので、今日はもう少し発作について深掘りしてみようと思います。

今日は発作のきっかけとは?という話です。

獣医さんが解説する犬のてんかん発作のトリガーとは?

わんちゃんはてんかん発作がとても多い動物です。

発作が出るきっかけがよくわからないというパターンも多いのですが、明確な周期があったり、きっかけがあったりということも多かったりします。

基本的には、一つのきっかけというよりは複数のトリガーが複合して発作になっているのではないかと言われているのですが、今回は誘因となる原因の中でも代表的なものをご紹介したいと思います。

ストレス

発作のきっかけは基本的には飼い主さんからの聞き取りなどをもとに調査されますが、その中でもきっかけとしてあげられることが多いのがストレスです。

一口にストレスといっても、家に知らない人が来るストレス、工事の騒音によるストレス、病院を受診することのストレスなど多岐にわたります。

その子によっても何にストレスを感じているかは評価しづらいところではあるのですが、あるてんかん発作の犬での研究によると、発作の誘因がストレスと認識しているという飼い主さんの回答が一番多かったと報告されています。

申告レベルではあるものの人のてんかん発作でも自己申告された原因として一番多いのはストレスであることから、犬でも関連している可能性が高いと考えられています。

睡眠周期の乱れ

睡眠不足や睡眠周期の乱れも誘発要因になりやすいものの一つです。

人においても最も報告が多いトリガーで、睡眠が不足することで脳が興奮しやすく(発作の閾値が下がる)なると言われています。

天候

天気と動物のコラムでも触れましたが、人では気圧の低下によって発作が増えることが示されており、犬でも同じことが起こる可能性が考えられています。

気圧が影響を与えるのは、主に自律神経が交感神経優位になることで神経の興奮しやすくなることや外気圧の低下によって脳血管が拡張することで脳圧に影響し状態の不安定さにつながるといったことが関連していると言われています。

また、犬での発作の原因を調査した研究では熱い天候も誘因と認識されているという報告があります。

発情周期

意外と認識されていない原因として発情周期も重要です。

てんかん発作を持つ未避妊のメス犬では発情期とその後の1~3ヶ月に発作が集中的に起こるという報告や、飼い主さんに対する発作の誘因の調査で42%が発情期と回答しているという報告もあります。

光や音刺激

花火や雷がきっかけで発作を起こすというわんちゃんは割と多かったりします。

人でも強い光刺激によって脳が興奮状態に陥ることで発作が誘発されることが知られており、わんちゃんの場合はこれに加え、音などのストレス要因も加わることで発作のトリガーになっている可能性があるのではないかと思います。

身体の不調

別の疾患を患っている子が急に発作を起こすということもよくあります。

病院で多いのは、腫瘍性の疾患を持っている子で起こる痙攣発作ですが、理論的には低血糖や電解質の異常、脱水などの代謝異常や、炎症や発熱なども発作の原因になる可能性があります。

薬の飲み忘れ

忘れてはいけないのが抗てんかん薬の血中濃度の急激な低下です。

薬を内服している子の場合、発作を抑えているものが急になくなるのは一番危険なトリガーです。

発作があって抗てんかん薬を開始するときは、一度飲み始めたら急に休薬することができないことや飲み忘れや吐き戻しなどでの投薬ミスが発作のトリガーになることを忘れないでください。

最後に

実は、細かくいうとまだまだ原因となっている可能性があるものはあるのですが、今日は代表的なものを取り上げてみました。

自分で申告できないので、なかなか証明が難しいということもあるのですが、きっかけがわからない子でも今日取り上げたものが複合している可能性は多いにあると思います。

てんかん持ちの子は改めてチェックしてみると良いかもしれません。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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