獣医さんのコラム(292)獣医さんが解説する夏バテはなぜ起こるの?

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説する夏バテはなぜ起こるの?

  体温調整のためのエネルギー消費

  水分の喪失

  自律神経の乱れ

  消化機能低下と食欲低下

  睡眠量、質の低下

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

毎日暑いですね。

昨日は、夏バテで食欲がないときの話をしましたが、そもそも犬・猫の夏バテはなぜ起こるの?を今日は解説したいと思います。

獣医さんが解説する夏バテはなぜ起こるの?

体温調整のためのエネルギー消費

人も動物も、体温を一定に保とうとする生理機能があります。

気温が高いと、体の中で生み出される熱をなかなか外に逃がせないということが起こります。

人間の場合、汗をかくことで体温を調節できますが、犬や猫は肉球以外は汗をかくことができません。

そのため、皮膚の血管を拡張して体表面から熱を逃しつつ、犬はパンティング呼吸(舌を出してのハカハカ呼吸)、猫はグルーミングをして唾液が気化させることで体温を調節しています。

気温が高いと常時、体温調整のためにエネルギーを消費することになるのです。

水分の喪失

犬は主にパンティング呼吸(舌を出してのハカハカ呼吸)、猫はグルーミングで体温を調整しているという話をしましたが、これには水分を蒸発させているため、その分、体が脱水に傾くきます。

ただし、人と少し違うのが、人は汗をかくときに電解質も失われるのですが、犬や猫は汗をかかない分、主に水分だけが失われていくことが多いです。

そのため、下痢や嘔吐などの症状がなければ、多くの場合は経口補水液などではなく新鮮なお水を十分に飲める環境を整えてあげることが夏バテの対策のひとつになります。

自律神経の乱れ

基本的に、動物病院では西洋医学が中心になっているので、病名として自律神経の乱れと診断名をつけるはあまりないのですが、動物さんを診ていると自律神経の不具合を疑うような症状に出会うこともよくあります。

そのため、人と同じように動物でも、エアコンの効いた室内と暑い場所を行ったりきたりすることで、自律神経に負荷がかかり、疲れやすさや食欲不振などの原因の一つになっている可能性があります。

消化機能低下と食欲低下

暑さが続くと、体は熱を逃すことを優先させるため体表面に血液を集め、胃や腸への血流量が下がります。

その結果、消化機能の低下が起こり、消化機能の低下によって食欲も低下し、必要十分なエネルギーやタンパク質が不足し、消耗した体を回復させるための材料が足りなくなることも夏バテの要因の一つになります。

睡眠量、質の低下

犬や猫は人より、睡眠が浅い特徴があるものの、やはり暑いと睡眠の量や質が低下するのは人と同じです。

特に、犬や猫は人間以上に睡眠時間が必要なので、睡眠が十分に取れないと脳や筋肉が十分に休息を取れず疲れを感じたり、免疫力が低下したりということが起こります。

最後に

夏バテはこれらの色々な要素が重なり起こります。

動物さんでは、いつもより元気がないや寝てばかりいる、食欲不振といった症状が出ることが多いです。

特に、食欲は一番わかりやすく、夏の間に1kg以上も痩せてしまう子もいたりします。

暑い日が続いているので、エアコンでの温度管理と食べる量を落とさないように工夫してあげてくださいね。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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