獣医さんのコラム(33)獣医さんが解説する痒みのしぐさって?

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説する痒みのしぐさって?

3. 痒みを見分けるには?

4.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

動物病院で身体検査をしていると、皮膚が赤い子にかなり多いです。

そのときに、痒がっていないですか?とお聞きしても、「痒がっていないと思います。」とか「気づかなかった」と言われることが結構あります。

痒みの仕草が、わんちゃんやねこちゃん特有の仕草なのかな?と思われていることがあるようで、意外と気づかないパターンも多いようです。

そこで、今回から赤みや痒みシリーズとして、痒みって?、赤みって?、その原因って?ということをお話ししてみようと思います。

今回は、第1回として痒みのサインをまとめてみました。

獣医さんが解説する痒みのしぐさって?

おしゃべりできると「痒い」という一言で済むものが、自分で言えない分、行動から痒いと思っていることをキャッチしていかないといけないのが動物さんの難しいところです。

特に症状が軽いと判別するのが難しいので、下のしぐさを参考にしてもらえたらと思います。

痒みを示すしぐさとして出る行動ととしては、

①掻いている

掻いているときも、患部を直接掻いている場合と、患部に届かないけど痒すぎて他のところを引っ掻いているパターンもあります。

掻くという行為も、症状が軽いとわんちゃんって足で掻い掻いするものかな?と思われている時があります。

②擦り付けている

ソファや毛布に顔を擦り付けている、飼い主さんに擦り擦りする、お尻歩きなど、わんちゃんでよくあります。

執拗なときはわかりやすいですが、頻度が低いと可愛いことしているで終わってしまうことがあります。

お尻歩き(お尻を擦り付けながら前に進む行動)は、肛門腺がたまっているときにもしますが、肛門の周りは赤み痒みが出やすい場所なので痒みでその行動をしている場合もあります。

③毛が抜けている

特にねこちゃんで、こっそり舐めて気づいたら毛が薄くなっていることがあります。

下腹部の毛がなくなっていることも多く、ひっくり返らないと気づかないことがあるので要注意です。

④舐めている

特にわんちゃんで、手先を舐めているというのはよくある痒みのサインなのですが、暇なときにおしゃぶりにしているパターンと痒くて舐めているのが区別しづらい時があります。

一つの目安で、前足も後ろ足も全部舐めている場合は痒みの場合が多いです。

痒みと見分けるには?

痒みの可能性のあるしぐさを参考にして、それでもわかりにくい場合は、

痒みのしぐさに加えて、その部位に赤みが伴っているかをみてもらうとよいのですが、

赤いかどうかがわからない場合は、以前と比べてそのしぐさをする回数が明らかに増えている場合は痒みの可能性ありです。

最後に

わんちゃんは特に純血種の子が多いので、アレルギー体質を遺伝的に持っているケースがかなり多いです。

アレルギー疑いぐらいの子も含めるとかなりの数になると思います。

はじめは、ちょっと赤いかなというぐらいの子が、歳とともに悪化することも多いので痒み/赤みにぜひ注目していただけたらと思います。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう。

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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