獣医さんのコラム(40)獣医さんが解説するアレルギーでよく聞く話はウソ?or ホント?

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説するアレルギーでよく聞く話はウソ?or ホント?

食事を変えたら良くなる?

乳酸菌がいいって本当?

アレルギーは治る

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

本日は赤み痒みシリーズの最終回、本日は巷で言われているアレルギーの話ってホントなの?というお話をおおくりしようと思います。

アレルギーにまつわる話は無数にあるので、その中で3つをピックアップしてみました!

獣医さんが解説するアレルギーでよく聞く話はウソ?or ホント?

食事を変えたら良くなる?

新しいフードを試すとき、皆さん口コミなどを参考にされると思います。

よく涙やけが治った、痒がらなくなったといった口コミも見かけますが、実はちょっと注意が必要です。

つまり、食事を変えたら良くなるはYesでもありNoでもあるからです。

涙やけも含めアレルギーが関連しているものに関しては、その子によってアレルゲンが異なります。

なので、もしそのお食事にアレルゲンが含まれていなければ、それはその子にとって食事を変えたら良くなったになると思います。

ただし、同じ食事でも別の子にとって、アレルゲンが含まれているのであれば良くならないです。

食事は合う合わないなので、口コミを参考にしつつあくまで試してみるというスタンスでいた方がいいと思います。

痒みが良くならない=その子に合わないだけでダメなお食事ではないということだけ覚えておいてくださいね。

乳酸菌がいいって本当?

これは本当です。

アレルギー症状には腸内環境が影響していると考えられているので、お腹の調子を整えることがアレルギー症状の緩和に寄与する可能性があります。

最近はペット業界も腸活ブームなので、腸内細菌のチェックでアレルギー症状に注意という結果が出たり、糞便移植でアレルギー症状が良くなるという話も聞くようになりました。

これから、もっと情報が出てくる分野だと思うの大いに期待しています。

アレルギーは治る

獣医さんは、よくアレルギーが治らなくて…と相談を受けることがあるのですが、これは間違いです。

アレルギーは治るものではありません。

体質だからです。

アレルギー治療の目標を症状を治すことにおいてしまうと、治療は破綻してしまいます。

アレルギー治療の目標は、生涯お付き合いしていかないといけない体質と共存できるように症状を抑えていくことと考えてください。

その手段が、食事だったり、薬だったり、漢方薬だったりと様々です。

また、季節や年齢によって変化していくので、一度落ち着いたから終わりではなく、その子の状態を見て調整していく必要があります。

一生のお付き合いなので、しんどいですが短距離走を目指さず、長距離を走り続けるイメージでいてもらえたらと思います。

最後に

長かった赤み痒みのシリーズもやっと最終回を迎えました。

痒みは1番多い症状なので、獣医さんも毎日頭を悩ましています。

痒がっている姿をそばで見ている飼い主さんは気が気でないと思いますが、あまり根を詰めずに症状とお付き合いしてもらえたらいいなと思います。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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