
もくじ
1. ごあいさつ
3.最後に
ごあいさつ

こんにちは。
オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。
昨日は動物病院でのサプリメントについてのお話をしてみましたが、今日はよく使われるサプリメントの種類についてもまとめてみようと思っています。
獣医さんが処方する場合もあれば、個別で買っておられる場合もありますが、総合して1番多いのは関節系サプリメントかなと思います。
今回は、関節系も含めて主に病院で使う機会の多い種類をピックアップしてみました。
獣医さんが解説するサプリメントに関するお話②

関節系サプリメント
小型犬のわんちゃんは、膝蓋骨脱臼などの骨格の異常での整形疾患がとても多いです。
手術になることもありますが、大半は保存療法といって悪化させないように注意してもらいつつ経過観察してもらうことが多いので、その一環でサプリメントも紹介したり、質問されたりという機会が1番多いのが関節だと思います。
ちなみに、関節系には大きく分けて2系統あって、関節保護系のものと、炎症緩和系のものがあります。
関節保護系には、人の医療で100%ではないがある一定の割合で効果が認められているコンドロイチンやグルコサミンが中心になっていることが多いと思います。
炎症緩和系は、抗炎症作用のある成分を含むサプリメントで、アンチノールというカプセル内に液体を封入したタイプのものが有名です。
肝臓系サプリメント
関節の次に動物病院での処方が多そうなのは、肝臓系のサプリメントかなと思います。
肝数値が少し高いわんちゃんも意外と多いので、少し肝数値が高いけど特に大きな疾患がない場合のケアや、肝臓系の薬の補助に使ったりもします。
多いのは、シリビンやシリマリンといった抗酸化作用や肝機能の補助、肝臓の繊維化予防などの作用をもつ成分やS-アデノシル-L-メチオニン(SAMe)という抗酸化、炎症抑制作用のある成分が中心となっていることが多いと思います。
実際に、こういった肝臓系のサプリメントを使用すると劇的ではないですが、肝数値は少し下がることが多く、使い勝手が良い印象があります。
泌尿器系サプリメント
わんちゃん、ねこちゃんのおしっこでは、尿結石や尿結晶、p H値(酸性アルカリ性の値)などが問題になりやすいです。
わんちゃんとねこちゃんの尿結石、尿結晶ではストラバイトが多いのですが、ストラバイトはごはんを変更して尿のp H値を酸性に傾けると溶ける性質があるので予防も管理もしやすいのですが、2番目に多いシュウ酸カルシウム結石に関しては、一度できてしまうと溶けない性質があり、療法食を使っても体質の問題で結石の形成を防げないことも多いです。
そういった子で療法食にプラスして使ったり、事情があってフードをかえれない子に使うといった用途で使用頻度の高いサプリメントです。
猫カゼ予防サプリメント
ねこちゃんで最も使うサプリメントはL -リジンというアミノ酸のサプリメントだと思います。
これは、ねこカゼを起こすヘルペスウイルスの増殖を抑える作用があることがわかっているからです。
ねこちゃんが一度、ヘルペスウイルスに感染すると、その後潜伏感染という状態になり、少し体調が悪いとヘルペスウイルスが増殖してカゼの症状を出します。
特に、免疫状態の安定しない1歳以下の子どもは頻繁に症状が再発する子も多いので、再発予防という意味合いで使う頻度が高いサプリメントです。
最後に
おすすめされたことがあるサプリメントはあったでしょうか?
今日ご紹介したもの以外にも、本当にたくさんの種類のサプリメントがあります。
サプリメントによっては合う合わないや肝数値が上がってしまうといった場合もあるので、獣医さんに相談しながら使ってもらえるといいと思います!
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者
2010年 北里大学獣医学部卒業
大阪、東北の動物病院を経て、
2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医
2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務
2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ