
もくじ
1. ごあいさつ
2.いち女性獣医師の獣医師のキャリアに対する感想4(妊娠出産の実際のところ)
3.最後に
ごあいさつ
こんにちは。
オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。
本日は、箸休め的番外編第38弾をおおくりしたいと思います。
先週に引き続き、番外編として私の感じるキャリア感についてをおおくりしようと思います。
本日は妊娠出産についての話です。
私には今5歳になる娘がいるのですが、その時のことを踏まえて女性獣医師の妊娠出産についてどう感じてるかを書いてみたいと思います。
いち女性獣医師の獣医師のキャリアに対する感想4(妊娠出産の実際のところ)
獣医さんのおめでた話を昔に比べて聞くことが増えたのではないかと思うのですがどうでしょうか?
昔は、獣医さんが子どもを持つとなると一度離職する人がとても多かったように思います。
それに比べて今は、産休中ですという女性獣医師がすごく増えました。
これはひとえに世の流れなのか、今の方が子どもを持ちやすいのは確かな気がします。
ただやっぱり職業柄なかなか難しい面もあるので、そんな話をしてみたいと思います。
なぜ妊娠出産にハードルがあるかということなのですが、
私的にはこんな感じなんじゃないかと思っています。
①立ち仕事だから
ずっと立って、時には走って仕事をしていることが多いので、妊娠中はつらいというのは間違いないです。
私は幸い、不正出血とかはしなかったですが、つわりが出産までずっと続くタイプだったのでずっと気持ち悪かったです。
お腹が張ったりとか心配事がつきないですよね汗
②放射線や薬剤を扱うから
動物病院では、レントゲン撮影は獣医師が主導で行います。
また、注射薬や抗がん剤を取り扱ったりもします。
人に頼むのが難しいこともあるので、自分ができないというのはネックかもしれません。
③人手不足
自分が産休でお休みを取るとなるとその間の人手をどうするか問題というのは常についてまわります。
協力してくれる人手がいればいいですが、小規模の病院だと難しいことも多いので、なかなかタイミングが見つからないということもあると思います。
④患者さんに対する責任感
自分で患者さんを持ちだすと、やっぱり責任感が出てくるのは当然だと思います。
難しい病気の治療中だったり、状態が安定しなかったりと、なかなかタイミングが難しいということは大いにあります。
特に、長年にわたって診させてもらっていると、関係性や思い入れも深くなるので、そういう子たちが増えれば増えるほど、決断が難しくなるのかなと思います。
赤ちゃん自体もいつ授かれるかがわからないものなので余計に難しい問題ですよね。
⑤自分の勉強したい意欲
やっぱり技術職なので、これをもっと勉強したい、できるようになりたいという欲はどうしてもあるもの。
妊娠出産となると、なかなか両立ができないことも増えてくるのでタイミングに迷うことはよくあるんじゃないかと思います。
他の職業の方も似たようなハードルがあるんじゃなかろうかと思うのですが、まだまだ世の中、キャリアと妊娠出産を両立させるのは難しいなと思います。
そして、女性獣医師もこういった壁にぶつかった結果、妊娠出産にある程度パターンが決まってくる傾向にあるなと思います。
まず1つ目は、若手のうちに妊娠出産するパターン
中堅になってくると長くお付き合いしている患者さんも増えていきますし、重症の子も受け持つことが増えてくるので、そうなってくる前に子どももつというのもタイミング的には決断しやすいのかもしれません。
中堅で子どもを持つ人は、旦那さんと一緒に開業して、妊娠出産する人が多いイメージがあります。中堅になると、責任も増えてきてなかなか言い出しづらくなるので、その点、旦那さんが院長の方が子どもも持ちやすいのかなと思います。
あとは、中堅〜ベテランに近づいて、落ち着いた頃に妊娠出産というパターンです。
私はこのパターンかもしれません。
自分でベテランになってとは言いづらいですが、院長になって下の先生がある程度色々できるようになったタイミングというのと、年齢的にリミットが…という脅迫観念に押されて踏ん切りがついたというのが正しいかもしれません。
なんとなく、伝わったでしょうか?
ちなみに、復帰の時も例に漏れず保育所問題に振り回されて大変でした汗(そんな話もいつか書きたいと思います。)
とにかく、体調といい、初めてのことも多くて、どうやって他のか今になると記憶がないということが全てを物語っているような気がします。。
最後に
自分も含めて、他の人の妊娠出産を見ていて、時には自分勝手に自分のことを優先で決めてもいいんじゃないかと思います。
でも、一方で周りに心からおめでとうと言ってもらえない状況にはしたくないという気持ちもあって、本当になかなか難しいなと思います。
また、実際に生まれてみてどうだったかなどを書きたいと思います!
それではまた次回のコラムでお会いしましょう。

執筆者
2010年 北里大学獣医学部卒業
大阪、東北の動物病院を経て、
2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医
2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務
2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ