
もくじ
1. ごあいさつ
3.最後に
ごあいさつ

こんにちは。
オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。
先週、わんちゃんとねこちゃんの内服薬の飲み方についてを書きましたが、今回はお薬全般のルールについても少し触れてみたいと思います。
意外と知っているようで、どうするんだろ?と思うことも多いのではないかと思います。
よく聞かれることを3つ取り上げてみました。
獣医さんが解説する知っていてほしい投薬のルール!

飲み合わせに注意!
内服薬でたまにあるのが、急な痛みなどでいつもと違う病院に行き、普段飲んでいる薬の話が獣医さんに伝わってなかったというパターンや、以前にもらった薬が家に残っていて痛がったので飲ましたというパターンです。
実は、痛い時に使う鎮痛消炎剤はNSAIDsという薬を使っているのですが、この薬はステロイドと相性が悪いと言われており、併用すると胃潰瘍などのリスクがあります。
一方でステロイドはアレルギーや免疫系の病気で日常的に内服していることのある薬です。
併用しないように十分に注意してくださいね。
さらにねこちゃんの場合、このNSAIDsという鎮静剤は腎臓に負荷をかける可能性があり、腎不全の子には慎重投与が必要な薬です。
鎮痛剤は身近なイメージがありますが、必ず獣医さんの指示のもと使うことと、いつも使っている薬がある場合は申告してくださいね。
目薬と目薬の間隔は?
目薬は意外と1回の診察で複数個も処方することが多い薬です。
ただし、内服のように一緒に飲むことはできません。
使うときは、5分以上間隔をあけて2個目の目薬をさすようにしてください。
さらに点眼の順番もあります。
振って使う懸濁性の目薬は、お水のようなサラサラの目薬(水性点眼液)の後にさすこと、さらに眼軟膏という目に使う軟膏は1番最後にさしてくださいね。
塗り薬のルール
塗り薬で重要なのは、塗った後すぐに舐めないように工夫してもらうことです。
お薬が浸透する時間が必要なので、どうしても舐めてしまう子の場合でも30分は我慢してもらえたらと思います。
皮膚に何かがついている状態がダメな子もいると思うので、その場合は30分あけて拭き取ってもらってもOKです。
また、塗る量もよく聞かれますが、一応の目安は患部がテカテカになる程度とお伝えしています。
正確にいうと、人間の基準では1FTU(フィンガーチップユニット)といって人差し指の第一関節まで薬をチューブからだして、それを両手を広げた面積に塗るという基準があるのですが、毛のあるわんちゃんやねこちゃんの場合はなかなか当てはめるのは難しいことが多いので、表面をテカテカにするくらいと覚えておいてくださいね。
最後に
お薬の注意事項も必ずお伝えしているつもりではいるのですが、どうしてもルーティンになりがちでしっかり伝わっていない場合もあるのかなと常々思っています。
今日は反省も込めて、改めてお薬のルールを書いてみました。
参考になれば幸いです。
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者
2010年 北里大学獣医学部卒業
大阪、東北の動物病院を経て、
2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医
2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務
2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ