
もくじ
1. ごあいさつ
3.最後に
ごあいさつ

こんにちは。
オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。
さて、病院だとお家のわんちゃんやねこちゃんの行動についての困りごとをよく聞くのですが、みなさんのお宅ではどうでしょうか?
今日は、そんな行動がもしかしたら負の学習させてしまったために起こっていることかもしれませんよというお話をしてみたいと思います。
獣医さんが解説するわんちゃんの負の学習って?

こんなことってないですか?
病院でよく相談されるのは、おやつをもらえるまで吠えてしまってなかなかおやつを減らせないというお話や、さらに多いのはお出かけの時に後追いをしてしまい、ずっと扉を掻いたり吠えたりしてしまうという行動です。
そういった行動を紐解くと、はじめからおやつのために吠えたり、お留守番の時に騒いでしまったりしていた子はいないと思います。
実はそういった行動は、どこかのタイミングで覚えさせてしまった行動かもしれません。
今日は、そんな困った行動を起こす負の学習についてお話ししたいと思います。
負の学習って?
わんちゃんやねこちゃんはとてもかしこい動物で、日々色々なことを学習しています。
その中で、間違ったこと(人が困ること)を学習してしまうこともあります。
それが負の学習です。
負の学習は、だいたいパターンが決まっていて、
①おやつやごはんなど
②飼い主さんの関心
という自分がほしいもの(執着しているもの)を、例えば吠えたり、扉を掻いたり、遠吠えしたりといった行動をしたときに得られたという成功体験によって、こうしたら欲しいものが手に入る⇨それが習慣化するということから起こります。
負の学習に困ってらっしゃる方は、過去にそういった行動に反応してしまったり、ほしいものを与えてしまった経験はないでしょうか?
負の学習を修正するには?
もし、負の学習をしてしまっている場合はなるべく早いうちに再学習させた方がいいです。
習慣化してしまうと、負の学習を上書きすることは困難になってしまうことが多いです。
今ちょっとあやしいかなという場合は、その行動をしたときに罰を与えて、その行動をすると嫌なことが起こると認識させることで行動をしないようにしていく再学習にチャレンジしてみてください。
罰として使えるのは、どこかの狭いスペースに入ってもらったり、吠えるとピリッとする首輪などのしつけグッズなどがあります。
しつけグッズははじめは嫌がっていても慣れてしまうこともあるので必ず嫌なことを組み合わせてください。
(キャリーなど生活に必要なものを罰に使うのは避けましょう)
ただし、そのダメな行動をしたときにかならず罰が必要なのでとても根気がいることは覚えておいてください。
プロのドッグトレーナーさんの力を借りるのもひとつの手だと思います。
最後に
学習するのは一瞬ですが、再学習には本当に根気は必要です。
何よりも、習慣化したものを抜くのは本当に大変なので、今お迎えしたばかりの方は負の学習をさせないように気に留めていただけるといいかなと思います。
もう学習させちゃった…という方はすぐに行動修正を考えてくださいね。
自分だけでは大変なことも多いので、プロに介入してもらうのも良いと思います。
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者
2010年 北里大学獣医学部卒業
大阪、東北の動物病院を経て、
2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医
2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務
2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ