獣医さんのコラム(109)獣医さんが解説する行動診療科とドッグトレーナーの使い分けとは?

もくじ

1. ごあいさつ

2.行動診療科とドッグトレーナーの使い分けとは?

 お家で困っているその行動は治療対象?

 獣医さんが行動治療を考えるケース

 獣医さんがドッグトレーナーを紹介するケース

 

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

昨日は『負の学習』という話をしたと思うのですが、お家でのわんちゃん、ねこちゃんの行動に困っているという方は多いと思います。

その中で、獣医さんは医療的な治療をするべきか、それともドッグトレーナーに委ねるべきかを判断しています。

今日はそんな話をしてみたいと思っています。

行動診療科とドッグトレーナーの使い分けとは?

お家で困っているその行動は治療対象?

お家での動物さんの困りごとは多々あって、実は色々な種類があります。

困ったらその時点で行動修正の対象だということをまず前提として覚えていてください。

さらに、行動修正をするならなるべく早くが原則です。

でも、どこに相談すべきか迷ってしまいますよね?

実際、病院に相談される方もしつけ教室に行かれる方もいらっしゃると思います。

その中で、どちらに頼るべきかということに関しては獣医さんなりの基準があります。

今日はその使い分けについて書いてみたいと思います。

獣医さんが行動治療を考えるケース

基本的に、お家の中などでスイッチとなる物事があり行動の問題につながっているので、実際に行動修正をしてもらう主体は飼い主さんです。

そこで、1番重要なのは、飼い主さんに危害を及ぼす問題であるかどうかという事です。

飼い主さんに対しての攻撃性が問題になっているケースは行動修正のために、薬を使うことが多いです。

つまり、薬を用いてスイッチが入りづらくすることで行動の修正をしやすくします。

この薬に関しては獣医師の判断が必要なので、そういったケースでは院内で治療するか、もしくは行動治療科のある病院を紹介することになります。

あとは、学習によって行動が習慣化しているケースと、精神的な問題で執拗にその行動を繰り返しているケースを分けて考えます。

精神的な問題からくる行動を疑う場合は、やはり投薬を検討する必要があるため病院での治療をおすすめしています。

また、慢性疼痛などの医学的な問題があっての行動の問題の鑑別も必要です。

獣医さんがドッグトレーナーを紹介するケース

一方で、負の学習によって習慣化してしまっている行動の場合は、ドッグトレーナーさんを紹介することが多いです。

わんちゃんの習性や行動といった分野は、どちらかというと獣医師よりもトレーナーさんの専門分野だからです。

また、病院での治療する場合は院内でのカウンセリングなどが中心になってきますが、トレーナーさんの場合、自宅に出張しているところもあるので、お家での状況をチェックして計画的に取り組めるようにトレーナーさんへの相談を勧めることもあります。

行動を修正するには根気が必要なので、第3者に介入してもらうことで挫折を防ぎ、行動の変化に合わせて対応をその都度軌道修正していくことが成功のカギです。

最後に

結論としてまず、迷ったら病院に相談してもらうのがいいと思います。

最近は、病院にドッグトレーナーさんが在籍していたり、提携していることもあるので、まずは状態を獣医師に判断してもらって、振り分けてもらうのがベストかなと思っています。

そして何より1日でも早く!が重要です。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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