獣医さんのコラム(12)健康診断でわかったこんな病気5選(後編)

もくじ

1. ごあいさつ

2. 健康診断でわかったこんな病気5選 つづき

肝臓腫瘍

膀胱結石

腎萎縮

3. 最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

前編の子宮水腫と多発性腎嚢胞に引き続き、

後編では、肝臓腫瘍や膀胱結石、腎臓萎縮の話をしていきたいと思います。

病名とはいえないものも入っていますが、実際に検査をしていて見つかってよかったなと獣医さんが思ったものをセレクトしてみました。
前編がまだの方は、ぜひそちらも読んでみてくださいね!

健康診断でわかったこんな病気5選

・肝臓腫瘍

人と同じように動物も腫瘍というのはとても多い病気の一つです。

身体の中にあって外から見えない腫瘍だと、何か症状が出やすい場所にできたものは見つかりやすいですが、症状がなかなか出ない場所だと、見つかった時には…という腫瘍もあります。

肝臓腫瘍は、特にわんちゃんで気づかない内に巨大に成長してしまっていることの多い腫瘍です。

一方で、肝臓腫瘍の多くを占める肝細胞癌という腫瘍は転移のスピードが遅いので、早くに発見できると手術で取り切ってしまえる癌でもあります。

血液検査だけだと、肝臓の数値が少し上がっているぐらいのことも多いので、歳のせいや食べ物のせいかなと思って見過ごされやすいので注意が必要です。

実際に、健康診断で見つけることも多い腫瘍です。

・膀胱結石

わんちゃん、ねこちゃんの膀胱結石は、主にストラバイトという食事療法で溶ける結石と、全く溶けないシュウ酸カルシウム結石という2つの種類があります。

膀胱の中に結石ができても、意外と症状がなくて気づかなかった…ということが多いので、健康診断で超音波検査の時に見つけることも多く、早期発見はとても重要です。

なぜ早く見つけた方がいいかというと、ストラバイトの場合、食事が原因で結石が出ているので食事を変えることで溶かして治すことができるからです。

また、シュウ酸カルシウム結石の場合は、食事で溶かしたりすることはできませんが、結石の成分がおしっこに出やすい体質が病気に深く関わっています。

そのため早めに気づいて、結石をつくりにくいごはんに変えたあげた方がいいのです。

・腎臓萎縮

これは、主にねこちゃんの話ですが、健康診断で時折、片方の腎臓が小さく縮んでしまっていて機能していないねこちゃんに遭遇します。

なぜ縮んでしまったのか、後から正確にその原因を見つけることは難しいのですが、

尿管結石で閉塞、もしくは半閉塞して最終的に腎臓が萎縮したのではないかと推測しています。

なぜかというと、尿管閉塞で来院されたねこちゃんの中で片側が萎縮している場合が割とあるからです。

その時に、以前にも具合が悪くなったことがありますか?とお聞きするのですが、大抵の場合は覚えがないですと言われます。

それを踏まえると、飼い主さんが明らかに気づくほどの症状は出さないまま、尿管に石が詰まって片側の腎臓がダメになることがあるのではないかと考えています。

もし病院で、腎臓の片側が小さいかもと言われたら、いかに残った腎臓を大切にするか、尿管閉塞を起こさないかにフォーカスできるので早く見つけたほうが圧倒的に良いのです。

最後に

ちょっとまとまりがなくなってしまいましたが、獣医さん目線で自分の経験を元に健康診断で発見されがちな病気などを書いてみました。

意外な病気はあったでしょうか?

少しでも参考になると嬉しいです!

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう。

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