獣医さんのコラム(127)獣医さんが解説するそろそろ再検査の季節ですよという話

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説するそろそろ再検査の季節ですよという話

  フィラリア検査の時に検査してませんか?

  なぜそろそろ検査が必要?

  ・未病を見逃さないで長生きしてね!

 

 

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

実は、動物病院には1年の流れがあり、特にフィラリア検査の時期に健康診断を受けるという方が増えますし、

病院によっては健康診断のコースを積極的に提案していることもあります。

ちょうど、この7月〜8月の時期は健康診断から3ヶ月という区切りなので再検査の時期でもあります。

そんな時期にからめて本日は、再検査について取り上げたいと思います。

獣医さんが解説するそろそろ再検査の季節ですよという話

フィラリア検査の時に検査してませんか?

フィラリア予防は、予防開始前に採血をしてフィラリアの感染の有無を検査することが一般的です。

フィラリア検査のための血液はほんの少しで大丈夫なのですが、針を刺すのは一緒なので、その機会に少し多めに取って、健康診断として血液検査をしたりということが勧めやすいです。

なので、フィラリア検査の時期は健康診断が増える時期でもあります。

病院によって項目に少し差がありますが、基本的な項目は、CBC(赤血球の数や白血球の数、血の濃さなど)、電解質、タンパク、血糖値、肝臓の数値、腎臓の数値といったところだと思います。

この中で、肝臓の数値はわんちゃんで異常値が出やすいです。

こういった項目で異常値が出ると、肝臓の画像検査を追加して形態もチェックすることが多いです。

画像検査で全く異常がないパターンや胆泥症がある場合、肝臓に異常があることなど色々なパターンがあると思いますが、今現在はっきりとした病名がつけられないことや、ごく軽度の胆泥症の場合などは治療を開始するべきか悩むことなどが多々あります。

そういった場合経過観察と言って、見つけた異常に対して

①悪化傾向がないかどうか(病気の初期症状ではないか)

②食事の変更や生活習慣の改善、ダイエットなど生活をかえることで改善するかどうか

を見ていくことが重要になってきます。

つまり、見つかった異常の重軽によって、1ヶ月後や3ヶ月後、6ヶ月後というきりのいい単位で再検査をお願いすることが多いです。

ここまで読んで、そういえば…と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?

意外と忘れてしまっていて…ということも多いです。

ですが、健康診断は、今治療が必要な異常を見つけることにもつながりますが、異常値を見つけて経過観察することにも重要な意味を持っていることを心に留めておいていただければと思います。

なぜそろそろ検査が必要?

再検査は指示されたけど、特にいつとは言われていないこともあると思うのですが、

わんちゃんやねこちゃんは人間より時間の流れが早い動物さんで、人間の3ヶ月が動物さんの体では約1年に相当します。

そう聞くと、何か異常値がある場合、1年経ったら流石にチェックしたくなりませんか?

そう言った意味で3ヶ月はひとつの区切りになるのです。

ちなみに、画像検査の具合や、数値がどれくらいオーバーしているかによって、

はじめの再検査は短めの期間を設定して、あまり変化しなければ再検査までの期間を伸ばしていくということもよくあります。

なので、2週間後や1ヶ月後と言われた場合はその期間で再検査に行ってください。

特に期間に指示がない場合は、1年後の同じ時期でいいかなと思いがちかもしてませんが、そろそろ再検査を考えてもらった方がいいと思います。

未病を見逃さないで長生きしてね!

再検査の意義は、先にお話しした通りなのですが、

最近の考え方として、未病という考え方があります。

未病とは、何かの病気が発症する前の状態ではあるものの、健康な状態から離れていっている状態のことで、

この未病のときに異常を察知して、健康な状態からの乖離を修正することで病気を発症させることを防ごうという考え方です。

動物さんは、自分の具合を話せないので、病気を発見するのが遅くなりがちです。

なので、獣医医療でも最近では健康診断を推進することで病気の早期発見や、この未病のうちに発見するという考え方が広がってきています。

色々大変だとは思いますが、

せっかく健康診断をしてもらう機会があったのであれば、その効果を余すことなく利用してもらうためにも、再検査や、生活習慣改善や食事の変更など習慣をかえることも検討いただければより良いです。

最後に

実は健康診断をしていると、意外と、若い子でも異常値が出ていることが結構あります。

そういう場合は体質によるところも多いので、早めにその子の体質に気づくという意味でも健診はおすすめです。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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