獣医さんのコラム(129)獣医さんが解説するライフステージの変化~ねこちゃん編~

もくじ

1. ごあいさつ

2.ライフステージの変化~ねこちゃん編~

  キトン期

  若猫期

  ・中年期

  ・高齢期

 

 

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

先週のわんちゃん編に引き続き、今回はねこちゃんのライフサイクルをおおくりしたいと思います。

わんちゃんと似ているところもあるけど、全然違うこともあるのがねこちゃんです。

ぜひ比べて読んでみてくださいね。

ライフステージの変化~ねこちゃん編~

キトン期

①社会化期

ねこちゃんにも社会化期といって、いろんな経験をすることで他の猫とのお付き合いを学んでいく時期があります。

わんちゃんの社会化期が〜12週齢ぐらいまでと長いのに比べて、ねこちゃんは大体8〜9週齢ぐらいまでと短いのが特徴です。

ペットショップさんブリーダーさんからお迎えする場合は、8週齢規制というものがあって、この社会化期にあたる8週齢までは兄弟や親たちと一緒に過ごせるようにという意味合いがあります。

②免疫力は不安定

子猫さんはお母さんから、ヘルペスウイルスなどによる猫風邪のウイルスをもらっていることも多いです。

ヘルペスウイルスは一度感染すると、体の中に潜伏しているので、免疫が不安定だと目の周りが赤くなったりといった軽い症状が繰り返し出ることがあります。

特に、子猫の頃は頻繁に症状が出る子がいますが、大体1歳ぐらいになると落ち着いてくることが多いです。

③誤食はやっぱり多い

ちっちゃい頃は好奇心が旺盛なもので、ねこちゃんもやっぱり誤食が多いです。

紐系は大好きな子が多いので注意してくださいね。

特に、紐の先におもちゃが付いているタイプのものを噛みちぎって先の部分を食べてしまうようなトラブルが多いです。

④トイレトレーニングは楽!

ねこちゃんは砂でおしっこをする習性があるので、トイレトレーニングはわんちゃんと比べてとても楽なことが多いです。

1回で覚えてしまうこともしばしば。

その点はご安心ください!

若猫期

①生命力にあふれる時期!

やっぱり若い頃は、みんなツヤツヤでハリがあって生命力に満ちあふれています。

とくに、未去勢の男の子は顔がおっきく張り出している子はボス顔!といって強いオスの象徴です。

②イタズラ全盛期

この時期は、思いもつかないことをする時期です。

イタズラっ子さんはカーテンレールの上に乗ってみたり、お家に帰ったら棚の上のものがひっくりかえっていたり…

若さが爆発することもあるかもしれません!?

③夜に運動会!?

する子しない子いろいろですが、トイレの後に走り回ったり、夜中に急に走り回ったりと本能が活性化する時期でもあります。

最近は1匹だとおとなしい子が多いですが、多頭飼いさんは行動が活性化しやすいです。

④発情期は要注意!

まだまだ大丈夫と思っていると、急に発情期がきてニャーゴニャーゴと鳴き出してびっくりということもあるかもしれません。

声や行動がガラッと変わるので、ねこちゃんの発情はわかりやすいことが多いです。

男の子はおしっこの臭いもキツくなるのと、お外へでたがるようになる子も多いので注意です。

⑤尿道閉塞に注意!

男の子のねこちゃんは尿道が狭いので、膀胱に結晶が出ているだけで詰まってしまうことがあります。

特に若い子で多いので要注意!

結晶が出やすい子は、尿石用のフードに変更してくださいね。

中年期

ねこちゃんの場合は、わんちゃんよりやや遅く6~7歳くらいからが中年期です。

①落ち着いてくる時期です

イタズラの頻度が落ち着いてきて、大人になったなと感じる時期です。

昔に比べたら寝ている時間も長くなってきたと感じる時期でもあります。

②大病する子がでる時期です

わんちゃんと同じで、一定の割合で大病する子が増えるころです。

尿管結石といった結石系、腫瘍、急性腎不全などやっぱり腎泌尿器系が多いです。

③隠れ関節症

ねこちゃんもわかりにくいですが、関節症が多い動物です。

特に、スコティッシュなどの猫種は元々関節系が弱いので注意してみてあげてくださいね。

初期は高いところに登るときに狙いを定めるのに時間がかかるようになったりすることが多いです。

高齢期

ねこちゃんはわんちゃんに比べ長生きする動物です。

高齢期は10歳くらいから、超高齢期は15歳くらいからで20歳を超える子もちらほらいます。

①腎臓は悪くなります

程度は様々ですが、腎臓の機能は落ちてきます。

10歳過ぎたら腎臓をケアするためリンの量や塩分量が考慮されたシニア食に変更してあげてくださいね。

②見た目は若々しい

わんちゃんと比べて、白髪がでにくいので見た目からだとまだまだ若猫と区別ができない子がいるくらいにねこちゃんは若々しい動物です。

さすがに超高齢期をすぎると顔のお肉が落ちてきたり、体も痩せてきたりする子が多いですがそれでも若々しいです。

③足腰は弱ってきます

見た目が若々しくても、足腰はやっぱり弱ってきます。

高いところに登らなくなったり、爪とぎをしなくなったりしてきます。

爪とぎしなくなると爪が太くなって巻いてくるので、気付かぬ間にくるっと巻いて肉球に刺さっていることもあるので注意してくださいね。

④持病も増えてきます

慢性腎不全や甲状腺機能亢進症など持病も増えてくる時期です。

薬の内服があったり、皮下点滴をしたりということも増えてきて病院通いをする子が増えます。

⑤性格も丸くなってきます

昔はシャーシャー言っていた子が怒らなくなったり、甘えてくるようになったりと性格も丸くなってくることが多いです。

シニア期特有のかわいらしさも感じれる時期だと思います。

最後に

ねこちゃんは、若いときもたまらなく可愛いですが、シニア期もなんとも言えない独特の魅力がありますよね。

我が家の老猫は、一昨年に23歳で大往生を遂げたのですがいまだに恋しいです。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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