
もくじ
1. ごあいさつ
3.最後に
ごあいさつ

こんにちは。
オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。
昨日のわんちゃん編に引き続き、今日はねこちゃんの問題行動について取り上げてみたいと思います。
わんちゃんよりは、猫だからと受け入れられていることが多いなという印象ですが、
行動が問題になることもままあります。
そんなねこちゃんの行動の話をしたいと思います。
獣医さんが解説するねこちゃんの行動の悩み3選

紐をかじる
1番病院で問題になることが多いのがこの紐問題です。
紐だけではなくTシャツのような柔らかい布地をかじることもあります。
なぜ問題になりやすいかというと、かじってそのまま飲み込んでしまうことが多いからです。
飲み込んでしまうと、まずは吐かせる(催吐)処置をするのですが、わんちゃんとは違い緊張すると催吐剤が効きづらくなり吐いてくれないことも多々あります。
吐いてくれないと、内視鏡処置をすることになるのでちょっとした誤飲で大事になりがちです。
そこで、何とかやめさせようという話になるのですが、なかなかトレーニングでかじる癖を矯正するのは難しいことが多いです。
これは、問題行動をした時に罰になる嫌なことを一緒に行うという方法でトレーニングをすることが多いのですが、この方法だと誤飲の危険があるからです。
なので実際問題、紐系のものを生活環境から無くしてもらうようにお願いすることが多いです。
ただし、どうしても生活環境からなくせないコード類をかじるという癖がある子には苦味や刺激のあるペーストを塗って罰をつくることでかじらないようにトレーニングしたりしています。
壁やソファーでの爪とぎ
かじり癖と違って医療的に問題になることが少ないので、病院で取り扱うことはあまりないですが、爪とぎ問題もよく話題にあがります。
爪とぎ自体は習性的にしないとまずいものではあるので、あとは場所をどうコントロールしていくかという話になってくるかと思います。
どうしてもして欲しくない場所での爪とぎを覚えてしまった場合は、爪とぎをした瞬間やしようとしているところを現行犯で見つけて、ねこちゃんの嫌がる音が出るもの(金属音が嫌いな子が多いです)を鳴らすなど罰になることをすることで行動をかえていくことが多いです。
ちなみに、ねこちゃんが嫌がる臭いのスプレーを使うこともありますが、ねこちゃんによっては全く効果がない場合もあるので注意です。
なかなか、覚えてしまったものを矯正するのは大変なので、今からお迎えする方や子猫さんがいるお家であれば、爪とぎの場所を事前に決めて、育っていく過程でその場所で爪とぎをするということをしつけてもらうのが1番いいかなと思います。
テーブルに乗る
これもなかなか病院での扱うことは少ないのですが、ダイニングテーブルに乗ってしまったりキッチンカウンターに乗ってしまって困るということもよく聞きます。
これも、現行犯で罰になるような音の出るものを使うというのも一つですし、テーブルにガムテープを裏返して貼って、乗ることで嫌なことがあるという状態にして行動矯正をすることがあります。
あとは、ねこちゃんが興味を持つようなおかずをテーブルに出しっぱなしにしないということも大切です。
覚えてしまうとなおすのが大変なので、覚えさせないを心がけてくださいね!
最後に
ねこちゃんの行動の問題は病院での治療としてはなかなか扱わないですが、猫好きの獣医さんが多いので自前で行動矯正したり、矯正した話を聞いたりはよくあります。
意外と集中してトレーニングすると短期間でなおせることもあるので、ねこちゃんだからしょうがないと思わず試してみると良いと思います!
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者
2010年 北里大学獣医学部卒業
大阪、東北の動物病院を経て、
2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医
2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務
2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ