もくじ
1. ごあいさつ
4. 最後に
ごあいさつ
こんにちは。
オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。
抗生剤から派生したこのコラムシリーズの最終回は、カビについてです。
パンやお風呂場でお馴染みのカビですが、わんちゃんねこちゃんでもカビが問題になることがよくあります。
そしてカビは、これもまた抗生剤が効かない病原体なので今日はその辺についてまとめてみようと思います。
細菌とカビ、カビには○○が効く
カビは、ちょっと小難しい言葉でいうと真菌(しんきん)という病原体です。
菌は菌でも細菌とはちょっと違うもので、抗生剤はカビ(真菌)には効きません。
カビ(真菌)には、抗真菌薬というお薬を使います。
でも見た目で、細菌かカビかを100%判断できないので、動物病院では顕微鏡でカビがいるか細菌がいるかを観察したり、それでもわからない時は、培養といってわざとカビを育ててみて診断をしたりもしています。
わんことにゃんこのカビの病気
カビが原因の病気は主に身体の表面でおこることが多いです。
代表的なものがマラセチアというカビが起こす外耳炎や皮膚炎で、アレルギー体質のわんちゃんはアレルギーでの炎症にカビが乗っかってしょっちゅう皮膚の状態を悪化させるので、実はカビとも戦っていることが多いです。
一方で、ねこちゃんで意外と多いのは糸状菌というカビが原因の皮膚炎です。
ちなみに、糸状菌は人間にもうつるので要注意です!
その他にも、肺炎の原因になったりということも聞きますが、ほとんどは皮膚で問題になることが多いのがカビの特徴です。
最後に
どうも書き出すと、長くなってしまいますね。
細菌、ウイルス、カビは、うっかり判断を間違えると全然効かないものを処方しかねないので、獣医さん的には気をつかうところです。
検査してみると細菌もカビも両方感染していたりもするので、やっぱり検査が大切だと思います。
いかに検査をすることにOKをもらうかも獣医さんの悩みどころなので、いつかそのあたりの事情も書いてみたいなと思います。
それでは、また次回のコラムで!
執筆者
2010年 北里大学獣医学部卒業
大阪、東北の動物病院を経て、
2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医
2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務
2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ