
もくじ
1. ごあいさつ
2.獣医さんが解説するハロウィーンとわんにゃん、これに気をつけて!
3.最後に
ごあいさつ

こんにちは。
オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。
子どもが小さいのもあってか、昔よりハロウィーンのイベントなどに参加する機会が増えたなとしみじみ思います。
去年はまだTalkvetsもオープン間も無くてコラムを書いていなかったので、今年はこの機会にハロウィーン関係でよくある注意点をまとめてみようと思います。
獣医さんが解説するハロウィーンとわんにゃん、これに気をつけて!

ハロウィーンにまつわるetc
ハロウィーンって気づいたら定番化した不思議な行事ですよね。
どうやら発祥は2000年以上前のケルト民族のお祭りらしいのですが、それがどうして「Trick or Treat!」になったのか…なんだか不思議ですよね。。
日本のコスプレ文化とも馴染みが良かったのかここ10年ぐらいで一気に広がった気がします。
動物さんも特にトリミングサロンなどに通われていると、ハロウィーン仕様の写真を撮ってもらったりしてハロウィーン感を感じることもあるのではないでしょうか?
ハロウィーンイベントの日には動物さんも一緒にコスチュームを着て写真を撮ったりということもされているかもしれませんね。
今回は年々増えてきているハロウィーンの飾りや香りと動物さんの話をまとめてみたいと思います。
飾り付けには危険がいっぱい
紐が好きなねこちゃんは多いですよね。
ハロウィーンの飾りも一緒で、モール系など紐系の飾りは問題になることがよくあります。
紐系で怖いのがそのまま飲み込んでしまう子がいることです。
紐をそのまま飲み込んでしまうと、腸全体が糸を軸にアコーディオン状に引き攣れてしまう典型的な紐状異物になります。
紐状異物になると、早い段階であれば異物除去だけで済むこともありますが、時間と共に糸が擦れている部分が壊死して穴が開くので広範囲の腸を切除しないといけなかったりと他の誤食に比べて大事になりがちです。
上の方に飾っているし大丈夫と思っていても、若いねこちゃんだと意外とイタズラの一環で飾りつけを外して噛んでいるところを見つけましたということもあります。
若くてやんちゃなねこちゃんには特に気をつけてくださいね!
キャンドル・お香・アロマに気をつけよう
秋の夜にキャンドルは雰囲気が出て素敵ですよね。
実はこのキャンドルにも注意点があります。
好奇心いっぱいのわんちゃん、ねこちゃんが多いのかヒゲが焦げたりということも意外とよくあります。
キャンドルは最近よく出ている電池式にかえてもらった方が安全です。
あとは、香料に関してなのですがハロウィーンの時期によく見かける香りの中にはわんちゃん、ねこちゃんに有害なものが混じっていますので注意してくださいね。
〜ハロウィーンに多い香りの成分〜
《スパイシー系》
・シナモン
皮膚/粘膜刺激性、肝臓に負荷(肝数値↑)
・クローブ
肝毒性、中枢神経抑制作用も
・ナツメグ
嘔吐、震え、神経症状(興奮、ふるえ)などを起こす可能性あり
《柑橘系》
・オレンジ、ベルガモット、レモン
皮膚刺激、肝数値の上昇など
《ウッディ系》
・パイン(松)
気道刺激、咳、流涙など
パンプキンスパイスというハロウィーンの多い香りを例にすると、この香りにはシナモン、グローブ、ナツメグなどが有害な成分が複数含まれていたりします。
香りに関しては、食べなければ大きな中毒症状を起こすものは少ないものの、気づかないうちに体の不調などの原因になっている可能性があるので、特に問題なさそうに見えてもなるべくお家に置かないようにしてあげてくださいね。
仮装やコスプレも注意してね!
わんにゃんにも仮装させて一緒に写真を撮ったりするのもハロウィンの醍醐味ですよね。
ただ、お洋服に慣れているわんちゃんだといいのですが、慣れていないわんちゃんやねこちゃんは衣装を着せられたり被り物をつけるとと動けなくなる子も多いです。
あとは、意外と仮装をしている人を見るのを怖がる子も多いので、仮装やコスプレは動物さんの様子を見つつ、短時間でが原則です。
ぜひ、動物さんに配慮しつつハロウィーンを楽しんでくださいね!
最後に
実は、私が生まれた年にディズニーランドがオープンしたらしいのですが、
一説には、日本のハロウィーン文化はディズニーが広げたんじゃないかという説があるそうです。
渋谷のコスプレには参加できないですが、一度ディズニーハロウィーンには行ってみたいものです。
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者
2010年 北里大学獣医学部卒業
大阪、東北の動物病院を経て、
2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医
2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務
2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ