
もくじ
1. ごあいさつ
2.獣医さんが解説する食欲の秋に注意!“体型管理のポイント”をおさえよう
3.最後に
ごあいさつ

こんにちは。
オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。
秋は食べ物が美味しい季節ですね〜
ついつい食べ過ぎてしまうこの季節、私たち獣医さんも耳が痛いと思いつつ体型の話をしたりしています汗
今日はそんなお話をしたいと思います。
獣医さんが解説する食欲の秋に注意!“体型管理のポイント”をおさえよう

食欲の秋!
美味しいものが多い季節。
人が美味しいものを食べているとついつい動物さんにもお裾分けしたくなりますよね。
体型管理って人にとっても動物さんにとっても課題です。。
一つ言えるのは、わんちゃんもねこちゃんも特別なときに美味しいものをたくさん食べるのは体型にはあまり影響しないということです。
やっぱり、体型は日頃習慣的に食べている物の積み重ねです。
なので、体型が気になるようであれば、
イベントの時は制限はあまりかけずに、日常のフードを見直してみてくださいね。
体型管理の注意点
病院ではダイエットの話をする機会がやっぱり多いです。
獣医さん側からお話しすることもありますが、気にしている飼い主さんも多いです。
気にしているけどなかなか体重が減らない場合、まず大きく2つに分けて考えてみてくださいね。
一つ目は、おやつなどの量です。
おやつの目安は1日の必要カロリーの10%以内と言われています。
わんちゃん、ねこちゃんの1日の必要カロリーは人が思っている以上に少ないです。
例えば、5kgのわんちゃんの1日の必要カロリーは避妊、去勢している子で約370kcal、未避妊、未去勢の子で420kcalぐらいです。
ねこちゃんだと、4kgの避妊、去勢している子で約260kcal、未避妊、未去勢の子で約280kcal程度です。
(計算式での量なので実施にはもっと少ない可能性もあり!)
人がおやつに食べているコンビニスイーツ1つ分くらいのカロリーが1日の必要カロリーなのです。
そう考えると、ちょっとだけと思っているおやつの量がもしかしたら多いのかも?と言うのが1つ目のチェックポイントです。
二つ目は、フードの設定量です。
フードを今の体重量で計算していませんか?
カロリーを消費している組織の量は、そこに脂肪が加わって体重が増えていても変化しません。
つまり、余分な脂肪も含めた量で計算すると多すぎるのです。
そして、減量を考えるときはそこからさらに減らした量で計算しないといけません。
あとは、おやつの時にも出てきましたが、避妊去勢した子と未避妊、未去勢の子では代謝量がかわってきます。
フードには成犬・成猫用としか書かれていないこともあるので、避妊・去勢済みのわんちゃん、ねこちゃんには少し多いという可能性もあります。
まずは、この2つのことをお家でチェックしてみましょう!
理想の体型って?
最後に、理想の体型についてです。
とくにねこちゃんは、少しポチャっとしていた方が可愛いと思うので、結局どこを理想体型として話をしているのかがズレてしまっていることが結構あります。
そこで、目安として病院で使っているBCS(ボディーコンディションスコア)についてお話ししたいと思います。
BCSには5段階バージョンと9段階バージョンがあるのですが、わかりやすく今回は5段階バージョンをご紹介します。
BCS1やせすぎ(脂肪が少なくて骨が浮き出している)
肋骨や背骨、坐骨がはっきり見える。筋肉も少ない状態。
BCS2やせ気味(皮下脂肪が少ない)
肋骨がはっきり触れて、上から見た時にくびれがはっきりしている。
BCS3理想体型(健康的な体型)
触ると肋骨がわかる程度に脂肪がついていて、上から見た時にくびれがある体型。
BCS4やや肥満(脂肪がやや多い)
肋骨が触りにくいくらい脂肪がついている、腰やお尻が丸くなっている。
ねこちゃんは腹部に脂肪のパットが出てくる。
BCS5肥満(体脂肪が厚く蓄積)
肋骨が触れず、くびれもなくなっている。
お腹も丸く垂れている状態。ねこちゃんは腹部の脂肪パッドが分厚くなり垂れている。
その子によって、代謝量も体型もまちまちなので、BCS3の体型を目指して体重をコントロールしてもらうのが理想です。
やっぱり痩せると、足腰にも内臓にも良いことだらけなのは確実です。
最後に
この秋は食欲の秋ならぬダイエット体型管理の秋にしてみませんか?
誘惑が少ない分、わんちゃん、ねこちゃんたちは、もしかしたら人間よりダイエットしやすいかもしれないです。
おやつをあげたい気持ちをグッと堪えてぜひダイエットしてみてくださいね!
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者
2010年 北里大学獣医学部卒業
大阪、東北の動物病院を経て、
2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医
2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務
2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ