獣医さんのコラム(175)獣医さんが解説する絶対に救急を受診した方がいい病気とは?

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説する絶対に救急を受診した方がいい病気とは?

  大型犬は気をつけて!胃拡張胃捻転症候群

  猫ちゃん要注意!血栓症

  ・止まらない発作は受診して!

  ・やっぱり呼吸は怖いです

  ・こんなぐったりは危ない

  ・誤食は量と中毒性がポイント

 

 

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

昨日に引き続き、今日も救急のお話をしたいと思います。

今日のお話は、絶対に救急に行くべき病気についてです。

詳しい病気の中身については別の記事に譲るとして今回は症状にフォーカスして書いてみたいと思います。

獣医さんが解説する絶対に救急を受診した方がいい病気とは?

大型犬は気をつけて!胃拡張胃捻転症候群

大型犬、特に胸が深いわんちゃんで夜に起こるという特徴があるのがこの胃拡張胃捻転症候群です。

胃の中にガスがたまって、胃がパンパンになりねじれてしまう病気です。

この病気は早急に開腹手術をして胃を整復する必要がある疾患で、ちょっとでも治療が遅れると血が回らなくなりすぐに胃の組織が壊死してしまいますので、必ず覚えておいてください。

キーワードは、大型犬、お腹がパンパンに張っている、夜に急に具合が悪くなったです。

くれぐれも見逃さないようにしてしてくださいね。

猫ちゃん要注意!血栓症

昨日のコラムでも書きましたが、ねこちゃんが急に後ろ足を引きずり出したらアッと思ってください。

足は片足のことも両足のこともありますが、それは後肢の動脈血栓症の可能性があります。

病気の発症自体が予後の悪い病気ですが、その中で血栓溶解という治療方法は時間との勝負です。

選択肢を広く持つためにも、猫、後ろ足が急に立たなくなった、痛がっているというキーワードを見逃さないようにしてくださいね。

わんちゃんの場合は、神経疾患で急に後肢麻痺になることがありますが、ねこちゃんで似たような状態になったら、神経疾患よりまず血栓症を疑うということをぜひ覚えておいてください!

止まらない発作は受診して!

発作持ちの子は比較的多いですが、大抵の全身性の痙攣発作は長く感じても5分以内にはおさまります。

それ以上の時間、全身性の痙攣発作が止まらない、もしくは発作用の坐薬などの常備薬を入れても止まらない、止まったと思ったらまたすぐに痙攣が始まったといったケースは夜中でも救急へ行ってもらった方が良いと思います。

短時間でおさまる全身性の痙攣発作は直後はボーっとしていても基本的にすぐに元の状態に戻りますが、具体的にいうと30分以上続く重積発作になると脳にダメージが残る可能があります。

若いわんちゃんで発症する脳炎などは急に重い痙攣発作がくることがあるので、若くても頭の隅に置いておいてくださいね!

やっぱり呼吸は怖いです

夜に呼吸がおかしくなるパターンもよくあります。

原因として1番多いパターンが肺水腫です。

特に、心臓病や心雑音が指摘されている子は要注意です。

心臓病が進んでいる子はもちろんのこと、心臓がさほど悪くない子も弁をつっている腱索が切れてしまって、急に悪化してしまうということもあります。

肺水腫の場合、急激に悪化していくこともあるので基本的に呼吸系は受診を考えてもらった方がいいです。

こんなぐったりは危ない

しんどそうなことをぐったりしていますと言われることはよくあります。

でも、真のぐったりも存在します。

それは、横になったまま動けなくなっている、意識状態が低下している、粘膜の色が真っ白になっているというパターンです。

この場合は、なんらかの原因でショック状態になっていることが考えられるので必ず救急を受診してください。

過去にあったのは、お腹の中で腫瘍が破裂してしまい出血していたり、アナフィラキシーを起こしてしまっていたなど、総じて重症ですので朝まで待つのは危険です。

誤食は量と中毒性がポイント

誤食もとても多いです。

中毒量がはっきりしないことも多いのですが、誤食したものが中毒性のあるもので食べた量もそこそこ多いという場合は夜でも受診してもらった方がいいです。(少量でも危ないものもありますので注意!)

わんちゃんであれば、食べて1〜2時間以内であれば催吐処置をして吸収する前に吐かせることができることが多いです。

ねこちゃんの場合は、緊張で催吐剤が効かないこともよくありますが、その場合は麻酔をかけて内視鏡や胃洗浄という処置も可能です。

最後に

今回は救急受診が必要な病気でざっくりとまとめさせてもらいました。

もうどうしたらいいかわからないという場合は、ネット検索していても時間がかかるばかりなので、ぜひTalkvetsにも相談してくださいね。

緊急ですぐにつながるコースもございます。

今日書いたことに該当している場合で、頼れる先がある場合は、どうしたらいいか決めきれないときはとりあえず電話をかけてみてください。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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