
もくじ
1. ごあいさつ
3.最後に
ごあいさつ

こんにちは。
オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。
先週は、急なお休みをいただいてしまったので久しぶりのコラムです。
今日はフィラリア予防の話を選んでみました。
毎年この時期になってくると、グッと予防率が下がってしまうのでこの機会にフィラリア予防のお話をしたいと思います。
獣医さんが解説するフィラリア予防忘れていませんか?

フィラリア予防の仕組み
段々と寒くなるこの季節、フィラリアの予防薬をまとめてもらっていたのに飲まし忘れてしまったり、もらい忘れてしまったりしていないでしょうか?
どうしても、フィラリア=蚊=暖かい時というイメージがあるので、寒くなってくると忘れがちになってしまいます。
ただ、フィラリア予防は毎月寄生している可能性のあるフィラリアの幼虫を駆虫する予防なので、毎月ちゃんとお薬を飲ませていたのに1回の投薬忘れで運悪く感染していた…ということにもなりかねない予防でもあります。
さらに、フィラリアの幼虫は寄生した直後だと予防薬が十分に効きません。
予防薬の効果が100%出るのは寄生して1ヶ月以降と言われているので、フィラリアに感染した可能性のある時期の1ヶ月後に最終の投薬をすることがとても大切です。
今日はそんなお話と、結局最終投薬日をどうやって決めているのかという話をしたいと思います。

寒い時期でも予防する意味
フィラリア予防の時期は、実は地域によって差があります。
ただ共通して言えるのが、日本だと寒冷な地域でも11月、多くの地域で12月までの予防が推奨されるケースが多いということです。
実はこれは適当に決めているわけではなく、科学的なデータに基づいて決められています。
根拠があると、寒くても予防が必要な意味がより見えてくるかもしれません!
その根拠とはHDU(Heartworm development heat unit)というものです。
要するに、気温から蚊の体の中でフィラリアの幼虫が感染できる段階まで育つことのできる期間を算出したものがこのHDUという指標になります。
そこからさらに、お家ごとの環境の違いでの温度の誤差も考えて、大体10~15年ぐらいで1番遅い予想が出た日にちを参考に、その1ヶ月後を最終投薬日(もしくは最終投薬月)としてお伝えすることが多いです。
最終予防日をいつにするか?
実際に例を出すとすると、
例えば、東京だとこの15年で1番遅い感染推定日が11/13なので、理想的に言うと12月中旬ごろに最終投薬をしてもらう形になります。
さらに北の北海道(札幌)だと、15年で1番遅い感染推定日が10/7なので、理想的に言うと最終投薬は11月初旬ごろになります。
はじめにも書いたとおり、1回の投薬ミスで感染してしまうかもしれない病気なので、投薬日はなるべく取りこぼしがないように設定するのが理想的です。
そのため、最近のお家やビルの中が冬でも暖かいという環境やわんちゃんと一緒に旅行するというライフスタイルなどに合わせて通年投与をしてもらうこともよくあります。
予防はなるべく可能性を最小限にためのものなので、ぜひ寒い時期にも確実に投薬をしてくださいね!!
最後に
ちなみに、沖縄ぐらい南の方になると最終投薬推奨日と投薬開始日(感染開始予想日の1ヶ月後の日)が1ヶ月もあかないというHDUなので、みんな通年予防という形になっています。
さすが南国!と思うとともに、寒いところにいるとデータで見ていても暖かそうでちょっと行きたくなってしまいますね。
HDU フィラリアと検索すると出てくるので、ぜひお住まいの地域も調べてみてくださいね!
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者
2010年 北里大学獣医学部卒業
大阪、東北の動物病院を経て、
2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医
2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務
2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ