獣医さんのコラム(192)獣医さんが解説する冬に増える病気4選(2025年版)

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説する冬に増える病気4選(2025年版)

  椎間板ヘルニア

  関節炎

  ・膀胱炎

  ・特発性前庭疾患

 

 

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

去年の冬も、コラムにさせてもらった冬の病気を今年も2025年版としてリニューアルして書かせてもらいました。

去年入れられなかった病気を加えて、少しラインナップがかわりましたのでぜひチェックしてください!

獣医さんが解説する冬に増える病気4選(2025年版)

椎間板ヘルニア

冬といえばこの病気です。

椎間板ヘルニアは夏にも起こりますが、冬に増える病気としても有名です。

この病気では、背骨と背骨の間にある椎間板というクッションが弾力性がなくなってくることで、一部が上を走る神経孔に飛び出して神経を圧迫してしまい症状が出ます。

急に発症し、発症した場所が腰であれば、軽度で腰痛やふらつき、重度になってくると後肢が麻痺して立たなくなります。

発症が多いのが胸部と腰部の切りかえ部分なので、多くの場合は腰と後ろ足に症状が出ることが多いです。

M .ダックスフンドで有名な病気ですが、T .プードルやフレンチブルドッグ、チワワさんなど色々な犬種で起こります。

冬に多い理由ははっきりはわかっていないのですが、寒さによって体の動きがぎこちなくなることで腰に負担がかかってしまったりといったことではないかと考えています。

軽度でもかなり痛いのでご注意ください。

関節炎

人間でも関節症持ちの方は冷える時期は辛いですよね。

それはわんちゃん、ねこちゃんも一緒です。

冷えて血行が悪くなってしまったり、寒さで運動量が減って筋力が低下してしまい、痛みを増強してしまいがちな季節です。

動き出しがぎこちなくなったり、お散歩に行きたがらなくなったりという様子があるようであれば関節炎の可能性がありますのでご注意ください。

関節症は治る病気ではなく徐々に進行する病気なので、早めに気づいて進行予防していくのがベストです。

膀胱炎

これは特にねこちゃんで冬に増える病気です。

ねこちゃんは、元々暑いところきた動物さんなので、あまりお水を飲まない子が多いです。

さらにそこに寒くなってくるとよりいっそ飲水量が減ってしまいます。

そうすると、おしっこがどんどん濃くなってしまって尿結晶が析出してしまったり、排尿回数が減ってしまって炎症が起こりやすい環境をつくってしまうことになります。

特に、太っているねこちゃんは膀胱炎を起こしやすいので要注意です。

対策として、あえてウエットフードを使ってもらったり、ささみの茹で汁などを出してもらったりもいいと思います。

意外とぬるま湯が好きなねこちゃんも多いので試してみてください。

特発性前庭疾患

これも冬に多い病気と言えるかもしれません。

高齢のわんちゃんで、急に首が傾いたまま戻らなくなったり、眼振が出てしまったり、グルグル回ってしまったりという症状が出るのが特発性前庭疾患です。

他の原因でも、同じような症状を引き起こしますが、特発性というものに関しては特段の原因がなく急に起こるもので3〜4週間かけて回復することが多いです。

ただし、例えるとずっと車酔いや眩暈をしている状態なので食事をするどころではなくなってしまうので、回復を待つ間は体が負けてしまわないようにしっかりしたケアが必要です。

最後に

やっぱり冬の寒さが体のバランスを崩してしまうことが問題になることが多いです。

他にも細々とした病気があるので、また来年は2026年版を出せたらと思っています!

寒さが身に染みる季節ですが、人間も動物も身体を労って過ごしてくださいね。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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