獣医さんのコラム(199)獣医さんから見て本当に怖い犬猫の感染症ベスト3

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんから見て本当に怖い犬猫の感染症ベスト3

  怖い感染症はいっぱいある

  第3位 猫エイズウイルス感染症(FIV)

  ・第2位 猫伝染性腹膜炎(FIP)

  ・第1位 猫白血病ウイルス感染症(FeLV)

 

 

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

世の中には犬・猫の感染症は実はたくさんあって、ワクチンをうって予防しています。

ただし、有名だからといって今も危ないかというとそうでもないものもあります。

本日は、じゃあその中で実際に獣医さんが治療する機会があってさらに危ないものって何なのかというところを解説したいと思います。

獣医さんから見て本当に怖い犬猫の感染症ベスト3

怖い感染症はいっぱいある

みなさんは怖い感染症と言われると何を思い浮かべるでしょうか?

やっぱり一番知名度が高いのは『狂犬病』だと思います。

狂犬病はご存知の通り、わんちゃんに噛まれて人間も感染する感染症で発症すると100%亡くなる怖い病気です。

その他にも、神経症状を起こし致死率も高いシステンパー、子犬で致命的な下痢を起こす犬パルボウイルス感染症、肝炎や腎炎などを起こすレプトスピラ感染症など怖い病気はあげればキリがないほどです。

でも、実際にこれらの病気が犬・猫の脅威になっているかというと実はそういうわけではありません。

なぜなら、ワクチンで発生をほぼ制御できているからです。

今回は今でも病院で診る機会があり、命に関わる怖い病気をランキング形式で書いてみたいと思います。

第3位 猫エイズウイルス感染症(FIV)

第3位は猫エイズです。

猫エイズは、ウイルスの感染によって発症し、発症すると免疫不全を起こし亡くなる病気です。さらに免疫不全になることによって、腫瘍とくにリンパ腫の発症の確率が約5倍になると言われています。

かなり怖い病気ですが、感染力自体は今回選んだ病気の中で低めで、猫同士のケンカでの咬み傷からの感染が多いので、同居のねこちゃんがこの感染症を持っていても移っていないということもあります。

あとは、感染しているねこちゃんでもストレスを管理できれば、発症しないで比較的長生きできることも多いという特徴もある病気です。

ただ、獣医さんとしてはそこそこの頻度で出会う病気であり、この病気が原因で亡くなったねこちゃんにも何匹も出会っています。

外と中を出入りしているねこちゃんやねこちゃんを拾ったときなどは十分注意してください。

第2位 猫伝染性腹膜炎(FIP)

第2位は猫伝染性腹膜炎(FIP)です。

この病気は発症すると腹水がたまったり、腫瘤性病変ができて亡くなる致死的な病気です。

さらに怖いのが、FIPウイルスが感染して発症するのではなく、日本のねこちゃんの約50%が持っている猫コロナウイルス感染症というほとんど症状を示さないウイルスが突然変異して致死的な感染症になるという性質をもっていることです。

つまり、今現在、室内で生活していて他のねこちゃんに接触しているわけではないのに突然致死的な病気になることがあるのです。

怖いですよね…

そして、まあまあの頻度(地域にもよりますが猫エイズよりも診る機会があります)で遭遇する病気というのも怖いポイントだと思います。

なぜ第2位なのかというと、昔は治療法のない病気だったのですが、ここ5~6年ほどで治療薬が出てきたことです。

治療薬が出たての頃は、治療に軽自動車一個台分の費用がかかるということもありましたが、今ではかなり安価で治療できるようにもありました。

第1位 猫白血病ウイルス感染症(FeLV)

第1位は猫白血病ウイルス感染症(FeLV)です。

この病気は、免疫抑制、貧血、腫瘍などを発症し、感染すると長くて3年程度で亡くなってしまう非常に恐ろしい病気です。

さらに、猫エイズよりも感染力が非常に強く、仲良く一緒にいるだけで唾液などから移ってしまい、治療法はありません。

発症パターンとしては、子猫のときに母猫などから感染しているパターンと大人になって外のねこちゃんと接触して感染するパターンがあります。

ねこちゃんの場合、一応ワクチンがあるのですが、このワクチンが腫瘍を起こす可能性が指摘されていることもあり安易に打ちづらく、ワクチンによる病気の制御も難しい状態です。

必ず亡くなる病気という点と現時点では感染機会を制御できず、治療法がなく、病院で実際に診る病気であるということで文句なく第1位になると思います。

最後に

犬・猫の感染症からのランキングなのに意図せず上位3つはねこちゃんの感染症が占める結果になりました。

実際にこの結果はわんちゃんよりねこちゃんの方が感染症のコントロールが難しいということだと思います。

ただ、猫伝染性腹膜炎(FIP)が治療できるようになったのでねこちゃんの感染症も前進していっていると思います。

欲を言えば、もう少し何かしらで他の2つも管理できるようになれればと願うところです。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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