獣医さんのコラム(200)200回記念!ぶっちゃけ獣医さんがもしわんちゃんを迎えるなら?

もくじ

1. ごあいさつ

2.200回記念!ぶっちゃけ獣医さんがもしわんちゃんを迎えるなら?

  純血種の子をむかえる?

  どこからお迎えする?

  ・獣医さんならではのわんちゃんのお迎えの仕方

 

 

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

コラムも祝200回ということで、ちょっと今日は趣旨をかえて書いていきたいと思います。

獣医さんは毎日毎日病気を診ています。

今回は病気のプロがわんちゃんを迎えるならという話を本音ベースでしてみたいと思います。

200回記念!ぶっちゃけ獣医さんがもしわんちゃんを迎えるなら?

純血種の子をむかえる?

獣医さんは毎日病気を診ています。

病院によっては患者さんの7~8割が犬というところもあります。

わんちゃんの病気の特徴は、犬種によって多い病気が割とはっきりあって、性格も傾向があるということです。

例えば、M.ダックスさんなら椎間板ヘルニア、フレンチブルドッグだと皮膚や腰や眼、T.プードルさんだと膝などなどよく診る病気の傾向があります。

性格もその子によって違うのですが、犬種ごとに傾向があります。

M.ダックスさんは元々猟犬なので吠える子が多いですし、小型犬でも運動量も多く、特に男の子は力が強い子が多いです。

チワワさんの場合は、個体によって体格差が大きく1kg以下の子から5kg近い子まで色々です。

怖がりな子が多く、吠える子や怒る子もちらほらいます。

T.プードルさんも体格にかなり個体差があります。

1kgぐらいの小さな子から、6~7kgの子もいます。

プードルさんも怖がりな子は多いですが、チワワさんの怖がりとちょっと印象が違って、よく人の顔色や雰囲気を見ているなと思う子たちが多いです。

こんなにことを言っていると純犬種って思わないんじゃない?とも思うかもしれませんが、獣医さん的にわんちゃんを迎えるとなると、やっぱり純血種の子を選んでしまうと思います。

Mixの子の方が病気に強いんじゃない?と思う方もいるかもしれませんが、わんちゃんに関しては、正直、Mixの子も病気でくる頻度はそんなに変わらない印象があります。

逆に、Mixさんだとどういった病気が出てきやすいか、何が弱いか傾向が分かりにくいのと、体格や性格も予想しづらいです。

なので、結論としては純血種、さらに犬種を選ぶとすると、見た目の好みは別として私は『T.プードルさん』を選びます。

ポイントが何点かあって、

①病院で見ていて根本的に体が強い子が多い

②賢い子も多い

③運動量もそんなに多くない(仕事柄でなかなか理想的な時間にお散歩に行ったりが難しいのである程度室内で運動量がまかなえるかも大事!)

④毛も抜けづらい

⑤持病として膝蓋骨内方脱臼はあるものの、獣医さん的には管理がしやすい持病だと思う

といったところかなと思います。

プードルさんはトリミング必須ですが、働いている病院でトリミングまでできるところも多いので時間がなくても意外とその点も大丈夫というのがポイントが高いです。

ただし、T.プードルさんといっても体が小さすぎる子は獣医さんは絶対に選びません。

本音をいうと、T.プードルさんで言うと、雌雄で少し差がありますがお母さんとお父さんの体重が3kg以下の子は避けてしまうと思います。

やっぱり、小さすぎるというのは医療的に好ましいことではないのに、好まれるという理由で人工的に小さくなるように交配させているというところが大きいです。

どこからお迎えする?

さて、ではどこからお迎えするかというところなのですが、絶対ないわけではないですが、やっぱりペットショップさんからお迎えすることは少ないかもしれません。

もし、獣医さんがお迎えするとするとブリーダーさんを選びがちかもしれません。

しかも、かなりしっかりしたブリーダーさんを選ぶと思います。

これも理由が何点かあって、

①血筋を辿れる

②生まれた環境を自分の目で確かめられる

③仲介マージンなどが入らず、自分で選んだところで代金が払える

といったところだと思います。

ペット業界はまだまだ闇が深いところもあって、獣医さんだと誰でも割とペット業者さんに対して苦手意識があります。

でも自分もペット業界の人間なので、子犬さんをお迎えすると考えるとやっぱりちゃんと自分の目で確かめたい、しっかり愛情と知識を持っていうところに代金を払いたいという気持ちが出てきてしまうものなんです。

ただ、補足として、これは予防など知識があるからということもあります。

やっぱり、はじめて犬をお迎えするという方は、ペットショップさんの方がしっかり予防の説明などをシステムとしてしてくれるので良いように感じることが多々あります。

獣医さんならではのわんちゃんのお迎えの仕方

ただし、やっぱり獣医さんが実際にわんちゃんをお迎えするとなると、変則的なパターンがとっても多いので、そういったことも書いておこうと思います。

子犬さんでなんやかんやで一番多いのは、患者さんや病院、その他関係のある方のところで生まれた子をもらったりするパターンかもしれません。

仕事でバタバタしているのと、職場で毎日わんちゃんと接しているので、独り身だとなかなかわんちゃんをお迎えしようという踏ん切りがつかないことも多く、なんやかんや子犬さんの飼い主を探しているというきっかけがあってお迎えするというパターンが多い気がします。

あとは、供血犬という名目で大型犬をお迎えして半分病院犬として働いてもらっているパターンも多いです。

その他に、患者さんが飼えなくなった事情のあるわんちゃんを引き取ったりするパターンも意外とあったりします。

最後に

付け加えると、今、身体の小さい子をご家族に迎えている方は、遺伝的に小さいだけであれば必ずしも病気を抱えているという意味ではないのでその点は安心してくださいね。

ただし、小さいだけで医療的にできないことも多いので不利だというのは覚えておいていただければと思います。

今回は、本音ベースでのコラムになりましたがいかがだったでしょうか?

明日は、さらにねこちゃん編もおおくりしたいと思いますのでぜひチェックしてください。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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