獣医さんのコラム(214)獣医さんが解説する動物が鬱っぽくなる病気3選

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説する動物が鬱っぽくなる病気3選

  甲状腺機能低下症

  認知機能不全症

  ・心不全

 

 

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

先週に引き続き、動物さんたちの鬱を深掘りしてみたいと思います。

今回は動物たちが病むというより鬱っぽくなるときがあって、それが病気に起因している場合についてお話ししたいと思います。

獣医さんが解説する動物が鬱っぽくなる病気3選

前回のコラムで取り上げた病むとはストレスで抑うつ行動をしている動物さんのことでしたが、人ではよく「鬱になる」とも言いますよね。

この場合は、気分が上がらない、落ち込んでいる、元気がでないといったニュアンスで使うと思うのですが、実は動物さんの場合もそういったことが起こりえます。

そしてそれは大抵病気のときに起こります。

もちろん、ただただなんの病気であれ具合が悪くても元気はなくなりますが、そういったものとはまた別に病気が気分が上がらない、落ち込んでいるような状態を作りだすものを選んでみました。

①甲状腺機能低下症

甲状腺というのは、喉のあたりについていて甲状腺ホルモンをつくっています。

そしてこの甲状腺ホルモンはいわゆる身体の活力を司るホルモンです。

そのため、甲状腺の機能が低下してホルモンが出なくなると、必然的に活力がない状態、いつもぼーっとしていて寝てばかりいるという状態になりがちです。

そして、病院で意外とよく見るホルモンの病気でもあります。

この病気になるのは主にわんちゃんで、免疫系の炎症に伴って甲状腺が萎縮してしまい、ホルモンが産生できなくなることによって起こります。

ねこちゃんにもないわけではありませんが、その場合は腫瘍などでホルモンを産生できる細胞が侵されてしまったというケースが多いので、比較的レアです。

そして、この病気は犬種差や遺伝的素因があることがわかっている病気でもあります。

文献的にはゴールデンレトリーバーやドーベルマン、ラブラドールレトリーバーなどの大型犬でリスクが高いといわれていますが、小型犬〜中型犬が多い日本の動物病院ではビーグルやT .プードル、柴犬などで発症している子によく会います。

②認知機能不全症

認知機能不全症と言われると、ちょっと難しいですが、いわゆる認知症のことです。

ただお年をとって脳が萎縮してくると認知症と言わないまでも、ちょっとぼーっとしていたり、反応が鈍くなってくるのはよくあることです。

認知症でいうといわゆる夜泣きや徘徊などの典型的な症状が始まる前から、ちょっとぼーっとしているというような症状や目が合わなくなる、どこをみているのかわからないといったような、人間でいうところの鬱っぽい症状が出ることも多いです。

ねこちゃんの場合は、わんちゃんよりも認知症になるというのは少ないですが、かなり長生きな子が多いので、17~18歳以上などの超高齢になってくると同じくぼーっとしたり、コミュニケーションが取れなくなったりといった行動が出てくる子がいます。

心不全

心不全というとかなり広い範囲になりますが、心臓病を持っている子の場合は多くの場合は慢性的に進行していくが故になんとか耐えているものの、かなり体の状態が悪いといったケースがあります。

多いのは、わんちゃんで僧帽弁閉鎖不全症、ねこちゃんで肥大型心筋症です。

心臓病が進行して肺水腫など、お水が体の中に溢れ出す一歩手前の状態でももちろんのこと、すでに症状を出して薬で管理しているものの心臓の状態が芳しくない場合も、慢性的に負荷がかかると感情が乏しくなって、前のように反応しなくなるということがよく起きます。

人間に置き換えてみても、重病の人が以前と同じように振る舞えるかと言われるとそうは言えないというのと同じと思ってもらえるとわかりやすいかもしれません。

もしお家の子が、いつの間にか静かになっていたり、鬱々としているようであれば、一つ心臓も疑うべき病気の一つと言えると思います。

最後に

実は、うちのにゃんこの一人も晩年、肥大型心筋症を患いたくさんの薬を飲んでいました。

2年近く頑張ってくれましたがやっぱり常にしんどい状態なので、昔の彼とは違った姿になってしまったことをよく覚えています。

ここにあげた病気に限らず、鬱っぽいには理由があるかも?と思ってもらえると早期発見早期治療につながるかもです!

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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