獣医さんのコラム(225)獣医さんが解説するわんちゃんの骨折のリスク因子とは?

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説する骨折のリスク因子とは?

  年齢

  品種

  ・シュチエーション

 

 

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

昨日はねこちゃんの話をしたので、本日はわんちゃんの話をしたいと思います。

病院で骨折が多いのは猫より圧倒的に犬で、前足の骨折が多いです。

その中で、骨折のリスク因子になるのは?というのが今日のテーマです。

獣医さんが解説するわんちゃんの骨折のリスク因子とは?

年齢

まず年齢は最大のリスク因子といえます。

特に1歳以下のわんちゃんは、リスクが圧倒的に高いことがわかっています。

なぜ、1歳以下でなぜ骨折のリスクが高いかというと、最大の要因は骨の成熟度です。

1歳以下の子犬の骨は、骨は骨皮質(骨の外側を構成する硬い部分)がまだ薄く、骨梁構造(骨の内側を構成する網目状・梁状の構造)が未成熟であることに加え、骨端の部分成長板と呼ばれる成長点があり、この部分は軟骨で構成されているため力学上の弱点になっていて外からの衝撃にとても弱いのです。

もう一つの要因として、行動学的な要因もあります。

やはり若齢期は、経験値が少なく、好奇心が旺盛、落ち着きがないという傾向があり、骨折を招くシュチエーションに陥りやすいです。

その結果、海外の骨折で来院した犬の年齢別データでは全体の約55%が1歳以下だったという報告があったり、国内でも少し古いですが、1歳以下での骨折の発生率はそれ以降に骨折する確率の6倍というデータがあります。

品種

品種にも高リスク犬種が存在します。

わんちゃんの体型はさまざまでブルドッグのように骨の周りを厚い筋肉が覆っている犬種もいれば、足の骨が細い上に、その足の周りに筋肉などの防御組織が少ない犬種が存在します。
そして、骨折にはやはり骨の細さや周りの組織が少なさは不利な因子といえます。

それを踏まえると、人気No.1犬種のT.プードルもこの危険犬種にあたります。

飼育数などを含めると、体感では一番多いように感じる犬種でもあります。

その他にも、イタリアングレーハウンドもある年のデータでは骨折が一番多い犬種にあげられており、同じような特徴を持っています。

ポメラニアン、ミニチュア・ピンシャーなども危険犬種です。

さらに、拡大して危険要因を言うと、小型犬ということも危険因子の一つになります。

シュチエーション

日本の動物病院で一番遭遇率の高い骨折の一つが、前足の骨折(橈尺骨骨折)だと思います。

そして、この骨折に関しては発生する典型的なシュチエーションがあるので骨折のリスクのひとつとしてあげさせてもらおうと思います。

わんちゃんは不意の事態が起きたとき、ほとんどの場合は前足から受け身を取って着地しようとします。

そのため、膝に乗せている、もしくは抱っこしているときに誤って飛び降りたというシュチエーションで前足を骨折することが本当に多いです。

しかも、子どもさんが抱っこしているときなど明らかに危なそうな場合ではなく、体感では意外と大人が抱っこしているときに事故が起こることが多いです。

少し考えると、慣れていないときや明らかに事故の起こりそうな危ない場面では、注意して行動しているので事故が起こりづらいのかもしれないなと思います。

やっぱり、事故が起こるのは気を抜いたときや少し慣れたころが多いのかもしれません。

ぜひご注意ください。

最後に

骨折したかもと思ったときは、一つの目安として足がつけているかを見てみてください。

足がつけているときは、大丈夫なことが多いですが、完全挙上している、もしくは全く負重していない場合は骨折している可能性があると思ってもらったらと思います。

骨折すると、ほとんどの場合は手術になるのでリスク因子が高い子は特に気をつけてもらえたらと思います。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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