獣医さんのコラム(227)獣医さんが解説するお家でするかも?この医療処置!

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説するお家でするかも?この医療処置!

  医療処置って自宅でできるの?

  皮下点滴

  ・注射

  ・チューブフィーディング

 

 

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

動物さんは人間よりライフスパンが短いので、まだまだ元気と思っていても急に病気になってしまうこともあります。

薬を飲ますのは何となく想像がつくと思うのですが、実はそれ以上のこともする場合もあったりするので、今日はそういう話をしてみたいと思います。

獣医さんが解説するお家でするかも?この医療処置!

医療処置って自宅でできるの?

医療処置とは、「獣医師の医療的な判断でされる動物に危害を及ぼす可能性のある行為」のことを言います。

治療のために必要であるのと同時に、その処置自体が動物を傷つけるかもしれない行為でもあり、適切なトレーニングを受けた上でしてもらう必要があるものです。

こう書くととても難しそうに思うとは思いますが、飼い主さんにやり方をレクチャーしている経験から言うと、実際には意外と練習すれば大丈夫というのも事実です。

失敗すると危険性が高いものは基本的に病院で行うので、自宅でしてもらうものに関してはしっかり病院で習ってもらえば比較的にスムーズにお家でもできることが多いです。

先端恐怖症などで針が怖いと難しい場合もあるかもしれませんが、10年以上見ていてできなかった方はいらっしゃらなかったので、ほとんどは大丈夫だと思います。

では、どんな処置があるのかと言うと、点滴やバンテージの交換や洗浄、注射、チューブフィーディングなど色々あるのですが、今回はその中でも皮下点滴、インスリン注射、チューブフィーディングについてどんな処置なのかを書きたいと思います。

皮下点滴

自宅でしてもらう医療処置の中で圧倒的に多いのが、皮下点滴だと思います。

動物さんを病院に連れて行ったことがある方はもしかしたら見たことがあるかもしれませんが、点滴を血管ではなく皮膚の下の空間に入れる処置のことを言います。

人は皮膚がタイトなので、皮下に点滴を入れることはないと思いますが、動物さんは皮膚がルーズなので皮膚の下に点滴剤を入れることがよくあります。

皮下点滴の良いところは、静脈点滴と比べ点滴剤を身体に入れる時間が大幅に短縮できることです。

血管には急速に点滴することはできませんが、皮下であれば急激に点滴剤を入れることができ、皮下に入った点滴剤が徐々に身体に吸収されるので、動物病院では頻繁に行われる処置です。

この処置は、1週間に1〜2回程度であれば病院に通ってもらうことが多いですが、猫の慢性腎不全などが悪化してきてほぼ毎日点滴が必要な場合は、自宅での点滴に切り替える場合があります。(注:病院と先生の方針にもよります)

毎日点滴が必要でも必ずしも自宅でするというわけではなく、重症で点滴治療をしながら経過をみている場合は基本的に通院治療をします。

一方で、慢性疾患で治療が長期にわたる場合は費用面や飼い主さんのお仕事の都合なども考慮して獣医師の判断で自宅で行なってもらうことがあります。

注射

次に多いのは、注射系だと思うのですが、普通の注射は自宅でしてもらうことはあまりないのですが、一つ例外があって、インスリンの注射だけは飼い主さんにしてもらうことになります。

他の皮下注射だと薬剤が皮下にうまく入らなかったりと問題が多いので飼い主さんにしてもらうことはほとんどないですが、インスリンの皮下投与に関しては1日2回注射が必要なので飼い主さんが打てないとなかなか現実問題として血糖値がコントロールできません。

ただし、使う注射器は失敗しにくいインスリン専用のものを使って、はじめは注射器に生理食塩水(身体に入っても害のない点滴剤の一種)を使って練習します。

ちなみに、注射だけではなくて、注射前の消毒の仕方や薬瓶から薬剤をすう方法なども練習します。

チューブフィーディング

チューブフィーディングと書くとちょっと難しく聞こえると思いますが、これは何かの疾患の末期に自力で食事が取れなかったり、口からの食事を取れない病気の場合に食事用のチューブを鼻や食道、胃に設置してそこから液体状の食事を入れてもらう処置のことです。

種類としては、鼻に設置する鼻チューブ、顔の脇あたりから食道に向けてチューブを設置する食道瘻チューブ、腹壁から直接胃にチューブを設置する胃瘻チューブなどがあります。

食事をただ入れるだけではなくて、チューブの位置がづれて肺の方に食事が入らないかなどの確認や、チューブの中に食事が残らないようにしてもらったりと意外と覚えることが多いのと頻回に食事を入れないといけないので結構大変な処置です。

皆んなが設置するものというわけではないのと、入院中だけする場合も多いのでそこまで数は多くないですが時々ある処置です。

最後に

ちょっと難しそうに思う医療処置なのですが、意外と慣れると大丈夫なことが多いです。

ただし、オンライン相談で夜中に自宅皮下点滴後の異常の相談を受けたこともあるので、やっぱり何か心配になることも起こる可能性もあるというところではあります。

逆に時々、かかりつけの病院だと自宅での皮下点滴をさせてもらえないという相談もいただくのですが、動物さんに人工的に行う処置なので、その処置の危険性と必要性を鑑みて獣医師が判断するという形をとっているというものでもあるということも心に留めておいていただけたらと思います。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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