獣医さんのコラム(230)獣医さんが解説する『腫瘍です』と言われた時の考え方

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説する『腫瘍です』と言われた時の考え方

  最初の分かれ道

  良性と言われた時の考え方

  ・悪性の場合は

  ・最終的に大切な考え方

 

 

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

動物病院に行ったついでに気になっているところを見せたら、「腫瘍です」と言われたという経験はないでしょうか?

実はこのパターンはよくあります。

飼い主さんからしたら、びっくりすると思います。

本日はそう言われたときにどうしたらいいのか?どう考えたらいいのか?と言う話をまとめてみたいと思います。

獣医さんが解説する『腫瘍です』と言われた時の考え方

最初の分かれ道

「腫瘍ですね。」と言われたときに、まず最初の分かれ道になるのは、良性なのか悪性なのかということです。

腫瘍と言われると、=癌というイメージがあるかもしれませんが、実は癌は悪性上皮性腫瘍のことを指している医療用語です。

なので、腫瘍といわれたら、即悪いものではなく悪性なのか良性なのかが一番重要になってきます。

ちなみに、それを診断するためのファーストステップは経過です。

短期間で大きくなってきているのであれば、検査がどうであれ悪性の可能性があるので要注意です。

そして、一番はじめにする検査は細胞診という検査です。

細胞診は、腫瘍の細胞を評価して悪性所見があるかどうかをみる検査で、表面をスライドガラスに押し付けるスタンプ生検というやり方や、腫瘍に針をさして細胞をとってくるやり方もあります。

良性と言われた時の考え方

検査などを経て、良性と診断された場合、次に考えるのが良性でも日常生活に支障をきたしていないかどうかです。

良性の場合は、手術するかどうかは飼い主さんの希望次第ということが多いのですが、定期的に破裂したり、体を動かすときの妨げになっているなど問題がある場合は獣医さんから手術を提案されることもあります。

もし、特に支障があるわけではなく、摘出を希望していない場合は、次に行うのが経過観察です。

細胞の検査自体が100%の診断精度ではないので、実は悪性だったというケースや、良性だったのに悪性転化したという場合に備えて、引き続き急に大きくなってこないかを観察してもらえたらと思います。

あとは、何かの機会に動物病院に行ったときには、獣医さんにも時々チェックしてもらうと良いと思います。

悪性の場合は?

さて次は、悪性疑いと言われた場合についてです。

ここで重要なのは、それが何という腫瘍で、手術などで取り切ると根治できる可能性があるかどうかということです。

もちろん、手術をして経過を見ないとわからないこともありますが、手術(±補助治療)がうまくいきやすい腫瘍の種類があったり、同じ腫瘍でもステージの違いによって予後がかわってきます。

根治の可能性があるのであれば、治療するか、治療しないかというわかりやすい選択肢に絞りやすいと思います。

問題は、根治の可能性が低いもの、つまり治療すると中央生存期間が○○くらいですと言われるケースです。

この場合は、治療をしなかったときにどれくらいの余命があるかや、どういう治療方法が適応になるかを確認してもらった上でご家族で話し合って治療を受けるのかどうかを決めていただく必要があります。

最終的に大切な考え方

腫瘍の治療は、シビアな話になりがちですが、重要なのは家族で意思の統一をすることだと思います。

治療を選択するかしないかに、正直いい悪いはないです。

人が自分自身の治療を決めることができるように、それは価値観によるところが大きいからです。

わんちゃんやねこちゃんはライフスパンが長いので、人間のように治療しながら年単位で元気に過ごすのは難しいことが多いです。

でもそれを長いと捉えるか短いと感じるかは、やっぱり人それぞれだと思います。

ただ、意見を一致させてその後にのぞむのは本当に大切です。

治療には時期があって、ご家族の一人がやっぱり治療したいと言い出しても機会を逃すと挽回できないからです。

なので、しっかり話しあってその子のためにどうしてあげたいかを決めるというのが一番大切だと思っています。

最後に

治療したらこんなに苦しまなかったかもや、治療を頑張らせてしまったことが逆につらい思いをさせたかもというのは、やっぱりそのときになってみないとわからないことです。

なので、先入観などは一旦置いて、獣医さんとよく相談して治療を選択していただければと思います。

何かの参考になれば幸いです。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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