獣医さんのコラム(241)獣医さんが解説するフィラリア薬を選ぶならノミダニ一体型?

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説するフィラリア薬を選ぶならノミダニ一体型?

  最新のフィラリア薬はノミダニ一体型?

  一体型の良いところ

  一体型で気になるところ

 

 

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

本日はフィラリア予防の時期に備えて、フィラリアの薬の話をしたいと思います。

フィラリアの予防薬にも流行りのようなものもあって次々に色々な商品が増えていくので、ぜひアップデートしてもらえたらと思います。

獣医さんが解説するフィラリア薬を選ぶならノミダニ一体型?

最新のフィラリア薬はノミダニ一体型?

何年も前から予防されている方は、フィラリア予防のみの薬を使っていらっしゃる方が多いのではないかと思うのですが、最近多いのはノミダニの予防も同時にできるフィラリア・ノミダニの一体型の予防薬です。

きっかけは、ネクスガードスペクトラという薬がテレビCMをうったことです。

これは動物薬ではかなり画期的で一般認知度を急速に広がり、その後に別のメーカーが一体型の予防薬が立て続けに発売したことで、一気に一体型の薬のシェアが拡大したような気がします。

病院に行くと、この一体型を勧められることも多いと思うのですが、今回のコラムでは獣医さんの思うメリットやデメリットをシェアしていきたいと思います。

一体型の良いところ

①投薬回数を減らして、幅広く予防できる

従来の予防の仕方だと、フィラリアの予防薬を春から冬にかけて月1回投薬してもらって、ノミダニは滴下剤などの別の予防薬が必要でした。

獣医さん的には、ノミダニはフィラリア予防と同じくらい必要だと思っているものの、二つ予防をするというのはやっぱり煩わしく感じる方も多くて勧めづらかったという側面がありました。

その煩わしさがないというのは、勧める側といても、予防する飼い主さんにとっても大きかったんだと実感しています。

②ノミダニ以外の治療にも使える

一体型の薬はノミダニ以外にもお腹の中に寄生する虫や皮膚で増えてしまうような虫の治療にも使えたりします。

この薬が出る前までは、注射薬で治療していたような病気が普段使う予防薬で治療できるというのはかなりメリットが大きいです。

③滴下剤では生き残ってしまう耐性持ちのノミにも有効

一体型に入っている薬が、従来のノミダニ薬のものの次の世代の薬なので、今まで予防薬をつけているのにノミがついてしまって…と言われるような場合でもしっかり駆虫できるようになりました。

④滴下剤を回避できる

滴下剤も良いところもたくさんあるのですが、どうしても滴下した部分がベタついてしまったり、トリミングやシャンプーのタイミングが難しかったりという問題がありました。

一体型は錠剤かおやつ型なので、トリミングに通っている子との相性はやっぱり良いです。

改めて考えてみると、今まであった薬に成り代わって急速に広まった背景には、やっぱり獣医さん的に感じていたもう少しこうだったらいいのににハマったという点があるのかもしれないですね。

一体型で気になるところ

ただし、注意点もあります。

①フィラリアの薬は従来のものと同じものを使っている

新しく発売されたといっても、ノミダニ用の薬は次世代のものが配合されていますが、フィラリアの予防薬は従来の薬と同じものが入っています。(今の所、ミルベマイシンやモキシデクチンが使われています)

なので、フィラリアに対する予防力が高くなっているわけではないというところは理解して使ってもらえたらと思います。

②てんかん発作などの子は要注意

一体型で使われているノミダニ予防薬はそれぞれ薬剤の種類は違いますが、イソキサゾリン系製剤が使われています。

この薬は、FDA(米国食品医薬品局)から筋肉の震えや運動疾患、てんかん発作などの神経学的な副作用を起こす可能性があるという注意喚起が出ているということも知っておいてもらえたらと思います。

使っている感じでいうと、そんなに副作用が強く出る薬ではないなと思いますが、実際にてんかん発作を誘発することもあるのでてんかん持ちのわんちゃんでの使用は注意が必要です。

③コストは高い

従来の薬に比べると、やっぱり費用は高いです。

錠剤のフィラリア予防薬と滴下剤のノミダニ予防薬の組み合わせと比べるとおそらく毎月1000円〜高くなってしまうのではないかと思うので、勧められたまま選ぶといつもよりだいぶ高い!ということもあるので注意です。

最後に

メリット、デメリットを読んでもらうとおすすめがわかってしまうと思うのですが、内服して発作や副作用が出るという子以外は一体型の方が効果としては良いと思っている獣医さんが多いのではないかと思います。

あとは費用面と相談して今季の薬を決めてもらえたらと思います!

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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