獣医さんのコラム(265)獣医さんが解説する犬と猫の味覚の秘密とは?

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説する犬と猫の味覚の秘密とは?

  人と犬と猫の味覚を比較すると?

  犬・猫の味の感じ方は?

  その他に特徴的なこととは?

 

 

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

本日は犬・猫の豆知識シリーズをおおくりしたいと思います。

お題は「味覚」です。

ねこちゃんはグルメだからというようなことをよく聞いたりするのですが、実際の犬・猫の味覚はどうなっているのか?

そんな話をしたいと思います。


獣医さんが解説する犬と猫の味覚の秘密とは?

人と犬と猫の味覚を比較すると?

猫ってグルメなイメージはありませんか?

キャットフードコーナーに行くと、鯛やマグロ、ホタテなどなど美味しそうな食材の名前がいっぱい書いてあります。

でも実際はどうなのでしょうか?

人も含めた動物が味を感じるのは、皆さんご存知の舌なのですが、さらに詳しくいうと舌の表面にある味蕾という部分で味を感じています。

つまり、味蕾が多いということはより複雑な味を感じられるというわけです。

では、人と動物の味蕾の数はというと、人の舌には約9000個の味蕾があるのに対して、犬は約2000個程度、グルメなイメージのある猫はなんと約500個と人間の約1/20しかないことがわかっています。

そう、実は人間が感じているのと動物たちの味覚はかなり違うのです。

そこで今日は、犬や猫がどんな風に味を感じているのかをお話ししたいと思います。


犬・猫の味の感じ方は?

まず、人は甘味、苦味、酸味、塩味、うま味の5つの味覚をバランスよく感じることができる動物です。

一方で、犬はというと、苦味とうま味を一番強く感じると考えられています。

苦味は、自然界で生きていくのに中毒性のあるものを敏感に感じ取って避けるのに必要な能力です。

さらに、うま味は肉食に近い雑食の犬にとってはお肉のうま味を感じる能力が強いと言えるかもしれません。

もう一つ付け加えると、わんちゃんは甘味を感じる力も強いので、スイーツや果物を好む子も多いのはこのせいです。

そして、酸味はそこそこ感じ取れるものの、塩味を感じ取れる力は弱めでこれは人間ほど塩分を必要としないことにもつながっていると言えます。

対して、猫の味覚はさらに独特です。

ねこちゃんは、甘味を感じる力がほとんどないことがわかっています。

一方で、苦味やうま味を感じる力が非常に強い動物です。

そのため、わんちゃんでは特に問題なく飲める薬をねこちゃんに飲ませようとすると苦味を敏感に感じ取ってよだれが止まらなくなるということもよく起こります。

うま味を感じる力も高いのも、完全な肉食であることが影響していると考えられます。

つまり、ねこちゃんは味蕾の数は少ないもののある意味、尖った味覚を持っているので、うま味があるかどうかがかなり重要だということです。

これが、猫ちゃんがグルメと言われる所以かもしれませんね。

その他に特徴的なこととは?

犬や猫は味の複雑さを感じる力では、人に遅れをとっているかもしれませんが、その分を補っているのが嗅覚です。

犬の嗅覚は人の100万倍、猫も20万倍といわれるように、食べ物の美味しさを嗅覚に依存して感じていると言えるかもしれません。

さらに、温度も重要で、わんちゃんもねこちゃんも温かい食べ物を美味しいと感じることがわかっています。

ちなみに、ねこちゃんにとっては食感も非常に重要です。

口当たりが食欲に直結しているので、カリカリ感がないと食べないということも起こり得るのが猫という動物の特徴と言えるかもしれません。

それを考えると、やっぱり猫ちゃんはグルメなのかもしれませんね!

最後に

人間でも、匂いがわからないと食欲が湧かないという話を聞きますが、嗅覚依存の強いわんちゃんやねこちゃんはそれ以上なのかもしれませんね。

病院では、高齢期の食べムラについての悩みをよく聞きますが、嗅覚が衰えてくることが原因の一つと言えるかもしれません。

食べムラに悩んでいる方は、匂いの強いものや温めて匂いを出してみてもらうのも良い手段だと思います。

一度お試しあれ!

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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