
もくじ
1. ごあいさつ
3.最後に
ごあいさつ

こんにちは。
オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。
犬は昔から人間の生活に密接に関わっていました。
その中で生まれた文化の一つが今回紹介する『断尾・断耳』という習慣です。
動物愛護の観点からのここ何年かの動きも踏まえてご紹介できたらと思います。
獣医さんが解説する断耳(だんじ)、断尾の話

断耳、断尾とは?
皆さんは「断耳」や「断尾」という言葉は聞いたことがあるでしょうか?
すでに断耳・断尾された姿だけしか知らないと、その姿が当たり前になりすぎてしまって、そんなことしていたの!?と思われる方もいらっしゃるかもしてません。
有名なところでいうと、ドーベルマンと言われて思い浮かべる姿そのものが実は断耳した姿だったりします。
本来のドーベルマンは垂れ耳をしていて、あのバットマンのように立ち上がった耳は人工的に手術で作り出した耳なのです。
あとは、人気犬種のT .プードルも実は断尾されていて、ティディベアのようなふんわり丸い尻尾は断尾されているからこその姿です。
では、なぜ断耳や断尾といったことをするのかというと、元々は狩猟犬や牧羊犬、護衛犬などが作業中に怪我をしないようにするためという外傷予防の目的でした。
それが、次第に見た目の慣習として行われるようになったようです。
断耳の現状とは?
断耳・断尾とまとめてご紹介していますが、断耳に関しては昔と違って最近ではかなり変化が見られます。
今現在、英国をはじめとするヨーロッパの国々では見た目を整える意味での断耳は禁止されています。
断耳手術は生後2~3ヶ月齢のまだ耳介軟骨が柔らかい時期を選んで行われます。
そのため、昔はペットショップにくる時点で断耳されていることが多かったのですが、動物愛護の観点からの流れを受けて、現在ではドーベルマンやドーベルマン・ピンシャーなども自然な耳のままで販売されていることが多いです。
断尾の現状とは?
一方で断尾はちょっと事情が異なります。
同じく、英国などをはじめとするヨーロッパ諸国では断尾も禁止されていますが、伝統的に断尾する習慣のあるプードル、ヨーキー、コーギー、フレンチ・ブルドッグなど様々な犬種で、現状ではいまだに断尾された子がペットショップに並んでいます。
断尾でも断耳でも愛護という観点では大きな差がないように思いますが、一つの理由としては断耳が少し成長した段階で麻酔をかけて行われるのに対して、断尾は生後1週間以内といったかなり小さいうちに無麻酔で行われることが関係しているのではないかと思います。
つまり行いやすい手術かどうかが影響しているのではないかと考えています。
売り手としては、少しでも高くという心理もあるので、やりやすい手術であればあるだけ、なかなか慣習としてなくならないというのがあるのかもしれません。
ただ、一つの流れとして、ジャパンケンネルクラブは近年、2024年8月1日以降に生まれたトイプードルのドッグショー参加について、断尾されている個体は参加を認めないという発表をしています。
これらの動きを踏まえて、徐々に断尾という習慣もかわってくるかもしれないと思っています。
最後に
尻尾がない姿が当たり前になってしまっている犬種も多いのですが、尻尾があっても十分可愛いです。
そして意外と尻尾があることに気づかないという方も多いかもしれません。
子犬さんの備考に尻尾ありと書かれている子がいたら、ぜひその子を選んでいただけるようになると、断尾ももっと下火になっていくのではないかと思います。
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者
2010年 北里大学獣医学部卒業
大阪、東北の動物病院を経て、
2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医
2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務
2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ