もくじ
1. ごあいさつ
3. この症状では何を使う?
4.最後に
ごあいさつ
こんにちは。
オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。
人にウィークポイントがあるように、実はわんちゃんにもその子によって弱い部分がちゃんとあります。何かあると、すぐお腹にくるわんちゃんもいれば、皮膚が弱いわんちゃん、関節が弱いわんちゃんなどなど
ちっちゃい頃からお腹をこわしやすい子は、大人になってもしょっちゅうお腹をこわすということもよくあります。
何か診断名がついている腸疾患の子もいれば、診断がつくほどでもないけどお腹が弱い子としてカテゴライズされる子まで色々ですが、獣医さんは基本的に弱い部分を補うような消化器用のドッグフードを勧めることが多いです。
今日はそんなお食事の話を取り上げてみたいと思います。
お腹が弱い子の食事の分類
獣医さんの多くはお腹の弱い子には療法食といって、お腹をサポートする機能のあるお食事を勧めると思いますが、実は大まかに4種類に分かれています。
- 高消化食(低残留食)
定義としてはタンパク質の消化率>87%、脂肪や炭水化物の消化率>90%のお食事のことで、消化に悪い繊維はかなり少量になっているのが特徴です。
胃の中での食物の移動を促進し、損傷した腸での吸収が良いように設計されています。
- 食物繊維強化食
水を吸収してゲル状になり腸内の内容物の動きを遅くする可溶性繊維と腸内で便のかさを増やし、蠕動を促す不溶性繊維がバランスよく配合している食事です。
- 低脂肪食
脂質の含有量を少なくすることで、膵臓への刺激を軽減し胃の中での食さの動きを助ける作用がある食事です。
- 低アレルギー食
一度も食べたことのないようなタンパク質(新奇タンパク質)を使い免疫に作用しないように設計された食事と、タンパク質を小さく分解(加水分解タンパク)して、免疫系を刺激しないように設計された食事に2つがこの低アレルゲン食に含まれます。
この症状には何を使う?
食事は、他の部分に下痢を引き起こす原因になっている病気があるか、それとも単純に腸に不具合があって下痢を起こしているかによって変わってくるのですが、
今日取り上げるのは、腸の不具合によって起こしている下痢のうち大まかに上か下かに分けて食事のコンセプトをあげてみようと思います。
まず、上の方が原因(小腸性下痢)の場合は基本的にまず胃や小腸への負荷を軽くすることを目的に高消化食(低残留食)を第一選択とすることが多いです。
逆に下の方が原因(大腸性下痢)の場合は大腸の蠕動や水分量を整えてくれる高繊維食を第一選択にすることが多いです。
獣医さんはこれを念頭において、各々の状態に合わせて食事の提案をしているので一概には言えないのですが、一つの考え方としてはこうなるかなと思います。
最後に
化器フードは食べて何かが悪化することが少ないので、そういう意味では他の処方食よりは汎用性が高いのですが、種類がいっぱいあり適応を判断するのが難しいので、要指示フード(病院で処方してもらうフード)になっているのだと思います。
ネットで購入していらっしゃる方が多いなと思うフードの一つなので、獣医さんが処方する意味はこういうところだよということが伝わったらいいなと思っています。
ではまた、次のコラムでお待ちしています!