
もくじ
1. ごあいさつ
3.最後に
ごあいさつ

こんにちは。
オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。
本日は、昨日の続きのお話です。
昨日取り上げた病気とからめて、実際にこういうシュチエーションに注意という生活面のことをまとめさせてもらいました。
子どもが産まれた時に実際使ったものなどの話もしてみようと思います。
獣医さんが解説する子どもとペットの生活の注意とは?

①手からのおやつに注意
前回のコラムで解説した犬と猫の口の中に常在しているパスツレラ属の菌は、免疫力の弱い乳幼児に感染してしまう可能性があります。
子どもさんがお家のわんちゃんやねこちゃんに、おやつや自分の食べているものをあげたがるということがあると思いますが、
手についた唾液の中にはこの菌がいるので、手に傷があると傷口から感染して強い炎症を起こしてしまったり、菌がついたまま口に手を入れてしまうと呼吸器の症状を起こしてしまう可能性があります。
こういったことを防ぐために、子どもさんが、わんちゃんやねこちゃんに何かを食べさせるときは、お皿に乗せてあげる習慣をつけておいてもらうといいと思います。
②トイレの位置に注意
前回のコラムでご紹介した回虫というお腹の虫の卵は、少しやっかいな性質を持っています。
一つ目は、わんちゃんやねこちゃんのうんちの中に排出されて、少し時間が経って成熟すると環境中でかなり長い間、感染力を維持している可能性がある(一説には1年以上とも言われています)ことです。
二つ目は、消毒薬は効かないということです。
コロナウイルスなどはアルコールや次亜塩素酸で消毒できましたが、回虫卵をやっつけようと思うと、この消毒液に1〜2時時間つけておかないといけないと言われています。
回虫卵を不活化するためには熱湯が有効ですが、床などに熱湯を使うのは難しいので、環境中に散らばってしまうとやっかいです。
しかも、お散歩で感染してしまう可能性があるとても一般的な寄生虫です。
なので対策として、
①食べ物を扱う場所にトイレを置かない
(回虫は口から入ってしまうことで感染します)
②便の中の寄生虫が成熟する前に処理する
(便の中に虫卵が出て、感染するようになるまでに10日〜かかるのでその前に処理する)
③環境中に残った虫卵を排除するためにトイレ自体をまめに熱湯消毒する
をしてもらうといいと思います。
③赤ちゃんとにゃんこの棲み分けに注意
わんちゃんはペットゲートやサークルなどで棲み分けがしやすいですが、ねこちゃんはゲートなどを飛び越えてしまうので、なかなか同じように棲み分けることが難しいと思います。
赤ちゃんのベットにねこちゃんが入ってしまったりということを防ぐために、できれば部屋を分けることが安全だと思いますが、部屋を分けることが難しいときは、蚊帳つきのベビーベッドがおすすめです。
我が家でも猫が飛び乗ってベビーベッドに入ってしまうので、ドーム型の蚊帳付のベッドを使っていて、とても役にたちましたよ!
最後に
2回にわたって子どもとペットのことを取り上げてみましたが、いかがだったでしょうか?
産まれた時からわんちゃんとねこちゃんがいる環境で育ったうちの娘は、動物好きに育っていて毎日微笑ましいです。
わんちゃんやねこちゃんと一緒に育つって素敵なことだなと思うので、ポイントをおさえて気をつけながらも無理なく生活できるといいなと思います!
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者
2010年 北里大学獣医学部卒業
大阪、東北の動物病院を経て、
2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医
2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務
2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ