獣医さんのコラム(61)獣医さんが解説する知っているようで知らない猫の予防の話②(猫のノミダニ予防編)

もくじ

1. ごあいさつ

2.猫ちゃんのノミダニ予防について説明してみよう

猫ちゃんのノミダニ予防って

家にいる子にも予防した方がいい

日々進化中の猫ちゃんの予防薬

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

今日は、猫ちゃんの予防第2弾!

猫ちゃんの予防は、ワクチンとノミダニ予防の2つが主軸になります。

昔と違って家の中にいる猫ちゃんが多いのにノミダニ予防ってすべきなの?と思われる方も多いのではないかと思います。

そのあたりの話を取り上げてみたいと思います。

猫ちゃんのワクチン予防について説明してみよう

猫ちゃんのノミダニ予防って?

わんちゃんと同じように、猫ちゃんもノミとマダニの予防があります。

詳しいノミやマダニの生態などはわんちゃんの予防編に書いたので、そちらを参照してもらうとして、

ここでは猫ちゃんの予防の特徴について話していきたいと思います。

猫ちゃんは薬を飲んだり、おやつタイプの薬を食べたりが苦手な子が多いので、猫ちゃんの予防ではスポット剤といって皮膚に垂らすタイプのお薬を使い、ノミもマダニも一緒に予防できるようになっています。

基本的に月1回、肩甲骨のあたりの地肌に垂らしてもらう予防です。

家にいる子にも予防した方がいい?

外の世界でノミの感染源になっているのは、実は野良猫ちゃんです。

一方で、飼い猫さんに関しては最近は家から出さないのが主流になっているので、わんちゃんと比べてノミダニ予防をしている割合は少ないです。

なので、ノミダニ予防はした方がいいのですか?とよく質問を受けるのですが、獣医さんとしてはしておいた方がいいなと思っています。

というのは、意外と病院には家猫さんがノミで来院されることがあるからです。

どうやら、ノミを持った外猫さんが出入りすることで、お庭があるお家やベランダを介して移ってしまったり、飼い主さんの服についてお家の中に入ってきてしまったりすることが原因のようです。

ノミは一回入ってきてしまうと、駆除が本当に大変なので万が一は防ぐ対策はしておいた方がいいと思っています。

あとは、猫ちゃんで重症化する感染症というのもあって、マダニが媒介する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、わんちゃんがかかってもほぼ無症状なことが多いですが、猫ちゃんがかかると致死率が約60%と言われている病気です。

マダニはノミに比べると、家猫さんには寄生しづらいですが、万が一外に出てしまった時やどこかに避難したりという不測のことを考えると予防しておけたらベストだと思うので、ノミ予防と同時にマダニも予防できるのを考えるとカバーしておくといいと思っています。

日々進化中の猫ちゃんの予防薬

スポット剤の話をしましたが、実は最近のスポット剤はノミダニだけではなく、フィラリアやお腹の寄生虫、ミミダニ、ニキビダニ、疥癬ダニまで予防できるハイブリットタイプが出ています。

その他に、3ヶ月効果が持続する長期作用型の薬など、便利な薬も出ているのでより簡単に広い範囲を予防できるようになりました。

最後に

何年も前に、わんちゃんの寄生虫であるフィラリアが猫にもかかるということが話題になり、続々と猫ちゃんのハイブリットタイプの予防薬が発売されました。

猫ちゃんはわんちゃんと比べると、まだまだわかっていないことも多い動物なので、今まで原因不明だったことが解明されたりと進化していっています。

明日は、そんなわんちゃんの予防と絡めて、わんちゃんで予防されるフィラリアと狂犬病って猫ちゃんではどういう扱いになっているのかを取り上げてみたいと思っています。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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