
もくじ
1. ごあいさつ
3.最後に
ごあいさつ

こんにちは。
オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。
桜も咲いて、入学式に行く子どもちゃんとお父さんお母さんも見かけたりと、いよいよ新年度ですね。
本日は、ずっと書きたいなと思っていたサプリメントについてまとめてみたいと思っています。
人でのサプリメントと動物さんでのサプリメントではちょっと毛色が違うところがあるのでそういった話に触れてみたいと思います。
獣医さんが解説するサプリメントに関するお話

サプリメントとは?
サプリメントとは『栄養成分を補給し、 または特別の保健の用途に適するもの、その他健康の保持・増 進及び健康管理の目的のために摂取される食品』(財団法人日本健康・栄養 食品協会)とされています。
多くの方はサプリメントを使われたことがあるのではないかと思います。
サプリメントは身近な存在であり、たくさんの種類がドラッグストアに並んでいたり、TVでCMが放映されていたりしていると思います。
人のサプリメントをおおまかに分類すると、
①栄養補助の目的のビタミン剤からミネラル剤など
②美容やダイエットなどを目的としたもの
③健康増進、維持のためのもの
などに分けられると思いますが、基本的に人ではサプリメントは病院で処方されるものというより自分で買い求めるものだと思います。
一方で、動物さんでのサプリメントは、飼い主さんが調べて購入することもあると思いますが、病院で獣医さんから処方されたり、紹介されて使いだすパターンの方が多いという違いがあります。
獣医療でのサプリメントの立ち位置
まず、人と動物の違いとして、動物さんは毎日ドッグフードやキャットフードという完全栄養食を食べています。
人のように、毎食食材を選んで食べているわけではないので、栄養の偏りは起こりにくいです。
なので、人で一般的な、ビタミン剤やミネラル剤などのサプリメントはあまり主流ではなく、使うとすると、手作り食の補助や療養時の栄養補助という形になるかと思います。
動物さんでも、人間の美容系サプリメントに使われるプロセンタなどを主成分としたサプリメントが実はあります。
ただし、美容目的というより主に皮膚や肝機能の改善というような目的で使われています。
ちなみに、代謝を上げる作用のあるダイエット系サプリメントもありますが、今のところよく使用されるというカテゴリーではありません。
動物さんでのサプリメントは、健康増進系にあたるものがメインになってきます。
何かの疾患があるときに治療の補助や状態の維持になるようなサプリメントを獣医さんに勧められて使い始めるケースが多いと思います。
どういったサプリメントがあるのかは、明日のコラムでまとめようと思っていますが、獣医さんにとってはサプリメントは治療に欠かせないものと言えると思います。
というのは、医療の根幹になっている西洋医学は、症状のある病気を治す力に長けているのですが、何かをおさめる作用が強い分、病気にならないようにするためには使いづらいという面もあります。
西洋医学で何かを維持する場合は、不具合がおこらないかをモニターして調整していく必要があります。
つまり再発しないように体質を補完したり、緩やかにケアしていくのは不得意な分野なのです。
東洋医学はそういった分野に強いのですが、動物病院の主流になっているのは西洋医学なので、ほとんどの獣医さんはそういった分野にはサプリメントという薬よりマイルドな作用のものを使って対応していることが多いのだと思います。
最後に
サプリメントは、処方している感覚でいうと好き嫌いが分かれるなと思います。
薬より高めなのと、効果を期待するためには最低1ヶ月ほど期間が必要なこと、任意保険の適応外になってしまうのがネックなのかなと思います。
一方で、薬が心配な方はサプリメントの方が受け入れやすいのかなという印象を受けたりもします。
よく使うものなので、明日はもう少しどういうサプリメントがあるのかを解説したいなと思っています。
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者
2010年 北里大学獣医学部卒業
大阪、東北の動物病院を経て、
2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医
2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務
2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ