
もくじ
1. ごあいさつ
3.最後に
ごあいさつ

こんにちは。
オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。
わんちゃんの方がデータが多いので、どうしてもわんちゃん中心の話が多くなってしまうことが多いのですが、本日は特にねこちゃん!という話をしてみたいと思います。
アロマが生活に定着して久しいですが、実は…というお話です。
ねこちゃんにはアロマが危険!!

なぜ危険なの?
アロマにも色々種類があると思いますが、特に危険なのは100%の濃度のエッセンシャルオイルです。
エッセンシャルオイルは口に入っても、皮膚についても急速に吸収されます。
人と違ってねこちゃんは肝臓の中に代謝酵素が欠けていて、こういったエッセンシャルオイルの成分を分解して排出することができないので中毒症状を起こすことになります。
どんな症状が出るの?
症状は摂取したオイルによって異なりますが、
主によだれ、嘔吐、ふるえ、ふらつき(運動失調)、呼吸困難、心拍数の低下、低体温、肝不全などが起こります。
危険なアロマのリスト
中毒を起こす代表的なエッセンシャルオイルは、
ウィンターグリーンオイル
サリチル酸が含まれていて、嘔吐、食欲不振、腎不全を起こす可能性あり
ペパーミントオイル
消化器症状、肝不全などを起こす可能性あり
パインオイル
テルペンが含まれており、ふらつき(運動失調)、よだれなどが出る可能性あり
ティーツリーオイル
実は動物医療でも治療用にも使用されている成分なのですが、エッセンシャルオイルはかなり危険な中毒を起こします。
低体温、心拍数の低下、歩行困難、ふるえ、脱力などの症状があらわれ、致死量は精油1.9~2.6ml/kgと言われています。
柑橘系オイル
D-リモネンが含まれているものは、嘔吐、下痢、震え、皮膚炎などを引き起こす可能性があります。
イランイラン
呼吸困難、脱力、嘔吐などを引き起こす可能性があります。
シナモンオイル
シナマルデヒドが、よだれ、嘔吐、下痢、肝不全、呼吸困難、皮膚の炎症(皮膚に付着した場合)を引き起こすと言われています。
最後に
アロマの問題点は、危険なことは知られていても中毒量などの詳しいデータが乏しいということです。
中毒量がわからないので精油はもちろんのこと、アロマはなるべく避けるようにしていただいた方が良いと思います。
参考になれば幸いです。
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者
2010年 北里大学獣医学部卒業
大阪、東北の動物病院を経て、
2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医
2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務
2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ