獣医さんのコラム(98)獣医さんが解説するいつもと違うサインに気づこう!

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説するいつもと違うサインに気づこう!

 食欲が1番大切

 お散歩に行きたがらない/遊ばない

 お水をよく飲む

 瞬膜が出ている

 おしっこの色が違う

 トイレによく行く

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

わんちゃんやねこちゃんと過ごしている中でなんとなく変だな?と思うことはないでしょうか?

何が変かを言葉にするのは実は結構難しいことです。

でも、その何か変だなに病気のサインが隠れていることが多いのです。

今日は、そんななんか変を言葉にするためのヒントについてお話ししたいと思います。

獣医さんが解説するいつもと違うサインに気づこう!

食欲が1番大切

やっぱり食欲は大きな指標です。

いつもよく食べる子だとわかりやすいですが、ムラのあるわんちゃんやねこちゃんは判断が難しいですよね。

そういう時に指標にしてほしいのは、

・2〜3日ではなく1週間単位でムラがいつもと違うパターンかを判断する

ムラがある子は判断しづらいので、短い単位ではなく1週間単位でどうかを見るとわかりやすいかもしれません。

・いつものパターンとの違い

いつもの食欲のパターンと違う場合を意識してみるといいです。

例えば、いつも夜はよく食べるのに食べない

毎年大丈夫なのに、今年の夏は食欲が落ちている(よく夏バテと思われがちです)

・完食までのスピードも大切

いつもはすぐに食べきるのに、時間がかかるのはいつもと違うサインです。

お散歩に行きたがらない/遊ばない/いつもの行動をしない

お散歩に行きたがらない/遊ばない/いつもの行動をしないのも大切なサインで、元気がない場合や痛みがあるときによくこういった行動をします。

お散歩に行ってもすぐに帰ろうとする。

いつもはリードを引っ張るのに引っ張らない(前ではなく横や後を歩いている)

途中で座り込む

おもちゃを出してこない

寝てばかりいる

チャイムや来客に反応しない

玄関にお迎えにこない

といった行動をお聞きすることが多いです。

お水をよく飲む

お水を飲むのはいいことと思われがちですが、いつもよりたくさん飲むのも病気のサインの一つのことが多いです。

緊急性があるものだと子宮蓄膿症なども飲水量が上がりますし、慢性病のクッシング症候群(ホルモンの病気)や慢性腎不全でも飲水量が増えます。

飲水量の変化は、

いつもよりお水が減るペースが早い

よくお水を飲む姿を見る

器以外のお水を飲もうとする

自分のおしっこを舐めている

などの行動を意識するとキャッチしやすいと思います。

瞬膜が出ている

瞬膜とは目の内側から出てくる(膜)瞼のことで、目に異常があるときも出てきますし、体調が悪い時にも出ている場合があります。

わんちゃんよりねこちゃんで出てきやすい印象があります。

瞬膜が出ていると顔がいつもと違うといって病院に来られることがあるので意識して見ていただくといいと思います。

おしっこの色の違い

お散歩でおしっこをしてしまうと色がわかりにくいと思いますが、尿の色も大切なサインです。

大体2つのパターンがあって、

①尿が薄い、濃い

薄い場合は飲水量が増えているか、尿の濃縮能が落ちている可能性があります。

濃い場合は、お水が飲めないような体調の変化のサインのことがあります。

②尿に何かが混じっている

血が混じるとはじめはオレンジ色っぽくなり、ひどくなると血尿になります。

他にも血色素尿といって、血液中で赤血球が壊れると色が変わったりするので色も大切なサインです。

トイレによく行く

トイレによく行くのもサインの一つです。

これにも2つのパターンがあって、

①尿量が増えている

飲水量が増えていたり、尿の濃縮能が落ちていると尿量が増えてトイレの回数が増えます。

②頻尿

膀胱などに炎症があると残尿感が残ってしまい何度もトイレに行くという行動をします。

ポイントは何回もトイレに行くのにあまりおしっこが出ていないことです。

ねこちゃんは膀胱炎を起こしやすい動物なので特に注意したい行動です。

最後に

病院でもなんとなくおかしいけどなんと言ったらいいかわからないという場合は結構あります。

あとは、病気がわかってからそういえばこんな行動をしていたということもよくあります。

前知識があると異常を言葉にしたり、認識しやすくなるのではと思うのでぜひ参考にしてくださいね。

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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