はじめまして。
オンラインどうぶつ病院Talkvetsの前田です。
暑すぎる夏が終わって、やっと涼しくなってきましたね。人間も動物も頑張って暑さに耐えていたものが緩んで、体調をくずしやすい時期ですので十分に身体をいたわってあげてくださいね。
さて、話はかわりますが、Talkvetsのオープンに合わせて「獣医さんのコラム」と題して毎週土曜日に病気のことやちょっとしたTipなどをテーマに記事をアップさせていただくことになりました!
記念すべき第1回目のテーマは、よくある、されど一番悩まされることも多い『犬の下痢』について取り上げてみたいと思います。
子犬さんの下痢は要注意!
ペットショップやブリーダーさんからお家にお迎えされて、はじめは良いうんちだったのに…といったことは、実はよくご相談を受けるパターンです。
この場合、大きな環境の変化が伴っているので大体3つに分けられるかなと思います。(もちろん、この3つが複合していることもよくあります。)
①単純な環境の変化によるもの
②フードが変わった、おやつを与えたなどの食事性のもの
③寄生虫によるもの
①、②は単純な下痢なので下痢止めや整腸剤だけで様子を見ることも多いですが、問題は③です。
基本的に、ペットショップさんでは駆虫薬などの予防はしてもらっていることが多いのですが、どうしても動物さんの入れ替わりが多いので回虫などの寄生虫の駆除もれや再感染?といったことがあります。
また、実は原虫という顕微鏡でしか見えない小さい寄生虫は、通常の駆虫薬では駆虫できず、専用の薬を使っていても駆虫率が低い場合や便検査単独では検出率が悪いこともあり、割と頻繁にあります。
コクシジウム、ジアルジアなどが多いですが、特にジアルジアは駆虫率が悪いことがあるので要注意です。
子犬さんの下痢は、身体が未熟なだけに急に体調が悪化したり、寄生虫の感染の可能性もあるので、なるべく早く病院に連れていってあげてくださいね。
大人のわんちゃんの下痢で多いのは?
実は下痢には大きく分けて、小腸性の下痢と大腸性の下痢と2つの種類があります。
その名の通り、どの部分に問題があって下痢が起こっているかということなのですが、普通の下痢は基本的には大腸性であることが大半です。
特徴は、しぶり、頻回の排便、血や粘液が混ざるなどです。病院では、よくゼリーのようなものが出てきたと言われるのですが、これは大腸性下痢の特徴です。血液が混ざることもよくあるので、心配になる方も多いと思いますが、腸の粘膜は出血しやすいので多少血液が混ざっていたり、表面に付着していても問題ないです。この血液がつくということも大腸で出血があることの特徴の一つです。
大人でも、もちろん寄生虫などの可能性は否定できないですが、フィラリアのお薬に駆虫効果があるものも多いので、しっかり予防しているわんちゃんでは少ない印象があります。
原因として多いのは、ストレスや環境の変化、食事やおやつの変化などによるもので、下痢止めや整腸剤で(細菌性を疑う場合は抗生剤なども使うことがありますが)比較的短期間で回復する一過性のものが多いです。
様子を見るということも多いと思いますが、元気や食欲があっても3日以上続いている場合は病院を受診してくださいね。
いかがだったでしょうか?
「そうなんだ!」がひとつでもあれば嬉しいです。
書きだしてみると、下痢についてはどんどん書きたいことがあふれてくるので、次回のねこちゃん編が終わったら、シリーズとして続くかもしれません。
それでは、また次回の記事をチェックしてくださいね!