獣医さんのコラム(15)わんことにゃんこと抗生剤と細菌とウイルスの病気

もくじ

1. ごあいさつ

2.わんこの細菌とウイルスの病気

3.にゃんこの細菌とウイルスの病気

4. 最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

抗生剤は細菌のお薬という話をこのシリーズでさせてもらいましたが、今回はじゃあどの病気が細菌の病気なの??ウイルスの病気はどの病気??というところを取り上げてみようかなと思います。

ちなみに、ウイルスの対するお薬は抗ウイルス薬というのですが、本当に一部のウイルス病にしか使われません。

その話も少しできたらなと思います。

わんこの細菌とウイルスの病気

まず、わんちゃんの細菌性の病気で一番有名なのは、メスのわんちゃんの子宮蓄膿症です。

子宮蓄膿症はほとんどが大腸菌が感染して起こることでも知られています。

ちなみに男の子の包皮炎も細菌性です。

あとは、気にされている方が多い歯周病も細菌性で起こる炎症で、お口から変な臭いがするのは細菌が繁殖しているからです。

わんちゃんの怖いウイルスの病気は、ワクチンが普及したことでほとんど発生しなくなっていますが、ワクチンの中に入っているパルボウイルス感染症は、今だにたまにペットショップなどで発生しています。

あとは、ケンネルコフといわれるカゼの症状を起こすウイルスは、ワクチンのおかげで重症化はしないものの比較的よく流行することがあるなと思います。

にゃんこの細菌とウイルスの病気

ねこちゃんでもわんちゃんと同じく子宮蓄膿症や歯周病は細菌性で起こります。

実は、ねこちゃんの細菌性の病気はわんちゃんと大きく変わりませんが、ウイルス性の病気はわんちゃんと違って大変な病気がまだまだ抑えきれていません。

特に、猫白血病ウイルス(FeLV)、猫エイズウイルス(FIV)は感染すると治すことは難しいです。

猫白血病ウイルスは感染すると2~3年で亡くなる怖い病気で、猫エイズウイルスも発症すると亡くなる病気です。

あとは、コロナウイルスが変異して発症する猫伝染性腹膜炎(FIP)も、もちろんウイルス性の致死性病気です。

獣医療で、今のところわんちゃんに抗ウイルス薬を使う機会はあまりないのですが、

ねこちゃんの猫伝染性腹膜炎のウイルスと、結膜炎や風邪の症状を起こすヘルペスウイルス感染症には、抗ウイルス薬を使っています。

最後に

意外と細菌とウイルスとを意識することがないような気がしたので、今回、わんちゃんとねこちゃんでまとめてみました!

猫伝染性腹膜炎とヘルペスウイルス感染症以外のウイルスの病気では、基本的に症状に合わせた支持療法をして、体の免疫力や自浄作用で治します。

一方で、細菌性の病気は迷わず抗生剤を使って治しています。

そうなんだ〜と思ってもらえたら幸いです!

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう。

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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