獣医さんのコラム(50)獣医さんが解説するねこちゃんってチョコを食べたらどうなるの?

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説するねこちゃんってチョコを食べたらどうなるの?

ねこちゃんにもチョコレートは危険?

ねこちゃんの治療はどうするの?

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

昨日、わんちゃんのチョコレート中毒のお話をさせてもらいました。

ふと、わんちゃんの話はよく聞くけど、ねこちゃんは話題に上がらないなと思っていて、

この機会にねこちゃんの話をしようかなと思います。

獣医さんが解説するねこちゃんってチョコを食べたらどうなるの?

ねこちゃんにもチョコレートは危険?

前回のコラムでも出てきたチョコレートに含まれているテオブロミン、カフェインは、わんちゃんと同様にねこちゃんにとっても危険です。

わんちゃんとほぼ同じ症状が出ますが、中毒量は少し違います。

チョコレートの中のメチルキサンチンの量(テオブロミン+カフェイン)で、

体重1kgあたりで15mg以下であれば経過観察、

15~34mgで下痢や嘔吐の症状、

34~45mgで頻脈性の不整脈(危険なレベルの心拍数の上昇)

45~55mgで発作や震え

55mg以上で致死量と言われています。

ちなみに、チョコレートの量で換算すると

ミルクチョコレート(メチルキサンチン量1.67mg/g)で、ねこちゃんの体重1kgあたり9~20gで下痢嘔吐、20~27gで不整脈、27~33gで発作や震え、33g以上が致死量になります。

ダークチョコレート(メチルキサンチン量5.2mg/g)で、ねこちゃんの体重1kgあたり2.9~6.5gで下痢嘔吐、6.5~8.6gで不整脈、8.6~10.5gで発作や震え、10.5g以上が致死量になります。

幸いなことに、わんちゃんほど固形のチョコレートの誤食の件数は多くないですが、ねこちゃんの場合は液体を舐めるてしまったというような例が多いので、チョコレートでドリンクなどには注意してくださいね。

ねこちゃんの治療はどうするの?

食べてすぐであれば、わんちゃん同様に吐かせる処置をすることが多いのですが、ねこちゃんの場合はわんちゃんと違って、催吐剤が効きにくいので薬では吐けないことが多いです。

どうしても吐かせられない場合は麻酔をかけて胃洗浄をすることになるか、

誤食量によっては吐かせずに、点滴などの対症療法で様子を見ることもあります。

参考:犬と猫の救急医療プラクティス他

最後に

今回は、ねこちゃんの中毒量や症状についてまとめてみました。

本編でも書きましたが、ねこちゃんの場合、液体を舐めることが多いので

チョコレート飲料や、製菓などの作業中などは注意してくださいね。

ココアパウダーなどは普通にチョコレートよりもカカオが濃いので特に注意が必要です。

参考になれば幸いです!

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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