
もくじ
1. ごあいさつ
・その他
3.最後に
ごあいさつ

こんにちは。
オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。
「緊急の時のみ〜」など、緊急っていう言葉はよく使われるけど、これほど難しい言葉ってないなと獣医さんでも思います。
これって緊急なの?、でも電話して大したことなかったらどうしようなど、誰でも不安になるものだと思います。
そんな状況の一つのヒントになればと思って、今回は緊急のシュチエーションをまとめてみました。
獣医さんが解説する緊急性ってどういう時のこと?

・呼吸が苦しい
病院で心雑音がありますねと言われたことがあるわんちゃんが、食欲がなくて、呼吸の回数が増えているようであれば、それは心臓の弁膜の状況が悪化して肺水腫(肺に水が出て呼吸が苦しい状態)になっている可能性があります。
わんちゃんは安静にしている時は、基本的に呼吸で胸が動くのは18~24回/分程度(10秒で呼吸している数を数えて3~4回)です。
じっとして落ち着いている状態で呼吸を数えて>30回/分(10秒で呼吸している数を数えて5回)の場合は呼吸が苦しい可能性があります。
特に、小型犬のわんちゃんにこういったケースが多いです。
時間と共に悪化していくことが多いので、なるべく早い診断と強心剤や利尿剤の投与が必要です。
この呼吸数のカウントは、かなり信頼性のある指標なので参考にしてくださいね。
・発作が止まらない
全身性の痙攣発作は通常であれば<5分でおさまります。
1度の発作ですぐにおさまるものであれば問題ないのですが、なかなかおさまらない、もしくはおさまってもすぐにまた痙攣が始まる場合は、痙攣発作自体で脳にダメージを起こす可能性があるので、早急に発作を止めないといけません。
この場合は、とにかく早くに病院に駆け込んでください。
急にこういった症状が起こり、緊急になりやすいのは、脳炎など比較的若い時に起こる脳の病気のわんちゃんで、とくにフレンチブルドッグやパグといった犬種は要注意です。
・ぐったりしている
なぜかわからないけど、急にぐったりしているという場合もあると思います。
粘膜の色が真っ白だったり、意識の状態が低い場合はすぐに病院に行く必要があります。
実際、高いところから落ちて頭を打った、お腹の中の腫瘍から急に出血していたなど予期せぬことが起こりえます。
ぐったりしている時は、呼吸と意識の状態を確認の上、速やかに病院に連絡してください。
・お腹が張っている
特に大型犬で、夜に食欲がなくてしんどそう、お腹が張っているという場合は、
朝まで待たずに必ず病院に連絡してください。
胃拡張胃捻転症候群という夜に起こる特有の病気の可能性があります。
この病気は、胃が空気でパンパンになった上で捻転することで、虚血状態に陥って壊死してしまうので、一刻も早く捻転を解除しないといけません。
緊急手術になる病気で、朝まで待っていて手術をしても間に合わないことが多いので一刻を争う病気です。
・その他
チョコレートやネギ、キシリトールガム、不凍液や百合など、わんちゃんやねこちゃんにとって中毒になるものを誤食してしまった場合も、救急になることが多いです。
通常、1~3時間以内であれば催吐させることが多いので、中毒量を食べている場合はすぐに病院にいく必要があります。
最後に
夜間救急で仕事をしていた時に、これは来てもらって本当によかったと思ったものを中心にピックアップしてみました。
他にも色々なパターンがあるので網羅するのは難しいですが、一つ言えるのは、判断はなるべく早くということです。
なかなかいざその時になって落ち着いて判断するのは難しいことですが、少しでも参考になれば嬉しいです。
そして、どうしたらいいかわからない時は、ぜひTalkvetsに頼ってくださいね。
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者
2010年 北里大学獣医学部卒業
大阪、東北の動物病院を経て、
2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医
2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務
2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ