
もくじ
1. ごあいさつ
3.最後に
ごあいさつ

こんにちは。
オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。
元々、わんちゃんやねこちゃんを飼われていて、新しく子どもが誕生するというシュチエーションは意外と多いなと思います。
私も子育て中ですが、うちの娘は獣医さんの子どもらしく、生まれた時から犬と猫に囲まれて育ちました。
そんな中で、獣医さんとして気を付けていた経験を活かして、本日は子どもとペットが一緒に育つときに注意してほしい病気についてのお話をしようと思います。
獣医さんが解説する子どもが注意すべきペットの病気!

①パスツレラ症に注意
人でも動物でも、皮膚や口の中には細菌がいます。
その細菌は、常在細菌といって、本人には害になりませんが、他の動物には害になることがあります。
わんちゃんで約70%、ねこちゃんでほぼ100%の確率で口に中に常在しているパスツレラ属の細菌は、
免疫力のしっかりしている大人には特に問題にならないことが多いですが、免疫力の弱い乳幼児は感染してしまうことがあります。
このパスツレラ属による感染症をパスツレラ症とよんでいて、皮膚症状と呼吸器症状が代表的です。
引っ掻き傷や咬み傷から皮膚に強い炎症を起こしてしまったり、
動物の唾液が口に入れてしまうことで、風邪のような症状〜肺炎まで様々な症状を起こします。
②ノミは人も痒くなる
日本では、わんちゃんでもねこちゃんでも、ほとんどネコノミという種類のノミが感染します。
ネコノミは人間にも感染して、痒みや発疹を起こすので注意が必要です。
動物さんにノミがいても、周りが痒くなるまで意外と気づかないことがあるので、しっかり予防していただけたらと思います。
ちなみに、ノミは13℃という温度が基準になっていますが、13℃以下でもいなくなるわけではなく潜伏していて温度が上がると活発化して動き出すので、お部屋の中だと冬でもノミの感染が成立します。
ノミに感染していることに気づかないまま公共の場所に出入りするわんちゃんもいるので、トリミングサロンなど他のわんちゃんが集まる場所に出入りする子は、年中予防しておいてもらった方がいいと思います。
③お腹の寄生虫は人にも移る?
わんちゃんやねこちゃんのお腹の中に寄生する寄生虫で、1番よく見るのが回虫という虫なのですが、この虫は人間にも移ります。
目に見えないくらい小さな虫卵が口の中に入ってしまうことで感染するので、子どもたちは特に注意が必要です。
動物では主に腸管に寄生しますが、人の場合は内臓移行型や眼移行型など様々な症状を出す可能性のある怖い感染症です。
日本でも野良猫さんは、ほぼ必ずといっていいほど回虫に感染しています。
そのため、野良猫さんの排泄物で公園の砂場が汚染していることもあり、公園遊びはもちろんのこと、お家のわんちゃんを介して感染してしまう場合もあります。
そういったことを防ぐために、子どもさんのいるお家では特に、定期的に駆虫薬は使ってもらった方が良いです。
今は、フィラリアの薬で回虫の駆虫もできるものも多いので、多機能なものを選ぶといいと思います。
最後に
今回は、病気編ということでまとめてみました。
子どもが産まれた時に、自分自身が気を付けていたことなどもあるので、
明日は基本的なことにはなりますが、病気編とからめて生活の中で気をつけた方がいいことなどをまとめてみようと思います。
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者
2010年 北里大学獣医学部卒業
大阪、東北の動物病院を経て、
2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医
2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務
2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ