
もくじ
1. ごあいさつ
3.最後に
ごあいさつ

こんにちは。
オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。
GW明け、いかがお過ごしでしょうか?
休みは過ぎ去るのが早いもので、もう5月も初旬が過ぎさろうとしていてびっくりしますよね。
さて、コラムはGW中から心臓に関してを書かせていただいておりましたが、本日から少し眼科の話をしたいと思っています。
お付き合いいただけると幸いです。
獣医さんが解説する眼が白い??それって白内障?

眼が白い??それって?
病院でよくうかがうのが、「最近眼が白くなってきた」という相談です。
今日は、そんな眼が白いという症状についてのお話をしたみたいと思います。
実は、獣医さん的にいうと眼が白いと言われた時に考えるのは、『眼のどこが白いか?』ということです。
大きく分けて、
①眼の表面(角膜)が白くなっているケース
②眼の中の水晶体と言われるレンズが白くなっているケース
があります。
1番多いのが②の目の中のレンズ(水晶体)が白くなっているパターンで、白内障を心配されて相談を受けることが多いです。
ただ、結論から言うと白内障で眼が白くなっていることはかなり少ないと言えると思います。
白内障と核硬化症
人だと、加齢と共に眼が白くなってきた=白内障というイメージがあるのかなと思います。
一方で、わんちゃんの場合は高齢で白内障があったとしても目に見えるほど水晶体が白くなるのは割と珍しいパターンです。
わんちゃんの場合、白内障で眼が真っ白になるのは多くの場合、若年性白内障だからです。
なので、高齢のわんちゃんの眼が白っぽく見えるのは別の原因で起こっています。
それが核硬化症と呼ばれているもので、眼の中のレンズ(水晶体)の密度が上がることによって光の屈折が変わり、レンズ(水晶体)の色が白っぽく見えるというものです。
この核硬化症は白内障と違って視ることに支障がでないこと、眼が白ではなくどちらかというと灰色っぽく見えることが特徴で、すべてのわんちゃんで起こる加齢性の変化です。
ちなみに、核硬化症のわんちゃんを検査すると一部に白内障があることもよくありますが、この白内障は飼い主さんの目に見えないほど小さいもののことが多く、あまり進行しないです。
どんな検査でわかるの?
では、白内障と核硬化症を獣医さんはどうやって見分けているのでしょうか?
動物病院では、スリットランプという手持ちの検査機器で光を当てながら眼を観ることでこの2つを見分けています。
眼科専門の病院では固定型のスリットランプを使うこともあるのですが、多くの病院ではハンディタイプのものを使っているので、眼科の診察を受ける時は注目してみると面白いかもしれません。
ちなみに、眼科は少し特殊分野なのでスリットランプがない病院さんもあるかもしれません。
獣医さんにも得意不得意があるので、眼科を診る病院と(スリットランプがあるなしにかかわらず)あまり診ない病院があることも頭に入れておくといいかもしれません。
最後に
眼は1番よく目がいく場所なので相談を受けることも多い分野です。
特に、眼が白いと気になってしまいますよね。
多くの場合は問題ないですが、実は何か体の中で起こっている別の病気が原因で白内障が進行していたということもあります。
眼は口ほどにモノを言うという言葉がありますが、実は病気のサインが隠れていることもあるので気づいたら様子をみずに相談してくださいね。
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者
2010年 北里大学獣医学部卒業
大阪、東北の動物病院を経て、
2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医
2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務
2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ