
もくじ
1. ごあいさつ
3.最後に
ごあいさつ

こんにちは。
オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。
昨日は、異物の誤食での治療についてを取り上げましたが、今日はそもそも異物の誤食は何が怖いのかという話と共に、食べると危険なものについてを取り上げてみたいと思います。
実際、誤食からの催吐処置はよくありますし、誤食に気づかず大変なことになることもままあります。
ぜひ気をつけてくださいね!
獣医さんが解説するこれを誤食すると危ないです!

異物って何で危険なの?
異物=危ないというのは共通認識です。
ではなぜ危険なのかということなのですが、実は異物が胃の中にあるだけではほぼ症状をだしません。
症状があっても嘔吐が少しでる程度のことが多いです。
中には、胃の中に異物が何ヶ月も入ったままになっていたり、CTを撮ったときに異物があることがわかったりすることもあります。
本当に危険なのは、胃にある異物が腸に下った時です。
腸に異物が下ってうんちとして出てくれたら問題ないですが、腸のどこかでつかえてしまうと腸閉塞という状態になります。
こうなると、嘔吐、食欲廃絶、ぐったりします。
そして、そのまま治療をしないと亡くなってしまいます。
これが異物で1番危険なパターンです。
食べ物系で注意なもの
食べ物系のものは表面がツルッとしているので、腸に下りやすいという特徴があります。
食べ物だと溶けてなくなりそうなイメージもあるかもしれません。
実際に鶏の骨とかであれば、胃酸で溶けてなくなることもしばしばあります。
ただし、溶けないものや溶ける前に腸に下ってしまうというものもあって、その一つがとうもろこしの芯です。
意外ととうもろこしをそのまま与えている方が多いようで、実を食べるついでに芯まで丸飲みしてしまったというパターンがたまにあります。
芯まで噛み砕いて食べている場合は問題ないですが、丸飲みするとかなり危険なので注意してください。
後は、同じパターンで人が食べる用に桃をむいて、芯の部分をわんちゃんにあげたら丸飲みしてしまったということもあるので注意してください。
その他に危険なもの
ねこちゃんだと圧倒的に危険なのは紐系です。
本能的になのか紐を食べてしまう子が本当に多いです。
特に棒に紐がついていて、先におもちゃがついているようなグッズの紐を噛みちぎっておもちゃごと食べてしまうパターンや手芸用などの糸をねぶっりながら食べてしまうようなパターンが多いので注意してください。
紐状の異物は胃の中で丸まらずにそのまま紐のまま腸に下ってしまうことがあり、紐のまま下ると腸がアコーディオンのように引き連れてしまって穴があいてしまうような事態になるのでとても危険です。
わんちゃんの場合は、小さなおもちゃ系が危険です。
大きなおもちゃだと、意外と噛みちぎって細かくして飲み込むので大事に至らないことが多く、丸飲みできてしまうようなサイズのものが1番危険です。
定番の小さなぬいぐるみや薄くて咥えやすい円形の蓋など注意してください。
大型犬の場合は、意外と手袋系が危ないです。
大きい子だと、少々の異物だとつまらないのですが、軍手などの手袋系のものを犬同士で取りあいっこしているうちに飲み込んでしまって…というのが腸閉塞の鉄板パターンです。
最後に
異物の誤食のときに、何日くらいで…?という質問をよく受けるのですが、
胃から腸に入る前に幽門という開閉する出口があり、そこをいつ通るか次第で日数は正直わからないとしか言えないです。
すぐに、通過してしまうと1日もかからないですし、中には何ヶ月も胃の中にあってたまたま幽門を超えてしまったということもあります。
なので誤食した場合は、なるべく早く異物を除去するというのが鉄則です。
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者
2010年 北里大学獣医学部卒業
大阪、東北の動物病院を経て、
2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医
2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務
2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ