獣医さんのコラム(154)獣医さんが解説する眼の病気の代表選手5選

もくじ

1. ごあいさつ

2.獣医さんが解説する眼の病気の代表選手5選

  角膜潰瘍

  結膜炎

  ・逆さまつげ

  ・白内障

  ・緑内障

 

 

3.最後に

ごあいさつ

こんにちは。

オンラインどうぶつ病院Talkvets獣医師の前田です。

みなさんは眼の病気といえば何を思い浮かべますか?

わんちゃん、ねこちゃんがどんな眼の病気になるのか?、その病気がどんな病気なのか?

本日はそんなよく診る代表選手をご紹介したいと思います!

獣医さんが解説する眼の病気の代表選手5選

角膜潰瘍

潰瘍と言われると「?」と思うかもしれませんが、要は眼の表面についた傷のことを角膜潰瘍と言います。

角膜という眼の表面の部分が傷つくと皮膚の傷とは違い、はじめは鋭利な傷でも細菌などの影響でクレーターのようにえぐれてきます。

痛みが強いので目が開かなくなり、さらに炎症が起こることで結膜の充血や目脂も出てきます。

エリザベスカラーと抗生剤の点眼薬、保護剤が治療の中心になります。

わんちゃんでもねこちゃんでも動物病院で眼科の病気というと角膜潰瘍が不動のNo.1です。

結膜炎

あっかんべーすると見えるピンクの粘膜が結膜という部分で、そこに炎症が起こると結膜炎と呼ばれています。

原因は様々で、他の眼の病気に付随して結膜炎を起こすことも多々ありますし、アレルギーなどで炎症を起こすこともよくあります。

アレルギーを持っていると常に結膜炎があることが多いので、よくある病気ではあるのですが、

結膜炎があると痒みや違和感がでてしまい自分で目を掻いてしまって眼に傷がついたりと、さらに別の病気をよんでしまうことも多いので油断できない病気です。

逆さまつげ

逆さまつげとは、そのままズバリ生え方がおかしいまつげのことです。

上向きにカールしている正常なまつげと違って下向きにカールしているまつげが『逆さまつげ』というイメージがあるかもしれませんが、まぶたの縁や粘膜などの異常な場所から生えているまつげも逆さまつげと呼ばれています。

角膜に接触して流涙症になったり、結膜が充血したり、角膜潰瘍を起こしたりして問題になることが多く、動物病院で定期的に抜いたりということもよくあります。

白内障

人でも白内障はよく聞く病気ですよね。

人の白内障の場合は、他の人から見てもあまりよくわからないぐらいで手術をするので目が白いという感じがしないかもしれませんが、わんちゃんの白内障の場合は瞳が真っ白になります。

治療方法は手術をして瞳(水晶体)の白い部分を取り除いて人工レンズを入れることなのですが、合併症が20%程度で起こることと特殊な機械がないので、人とは違って目が真っ白になるまで手術が適応にならないです。

ねこちゃんでも白内障はなくはないのですが、基本的にはわんちゃんで多い病気です。

緑内障

緑内障もよく聞く病気ですよね。

緑内障はいわゆる眼の圧力(眼圧)が上がる病気です。

眼の中には眼房水という液体がつくられて排出されるという経路があるのですが、この排出がうまくいかなくなって液体が溜まってしまって眼がパンパンになります。

白内障と同じで、人の場合は眼圧が少し上がったぐらいで見つかることが多いのですが、動物さんの場合は眼圧が跳ね上がって緑内障と診断されることが多いです。

高眼圧が続くと48~72時間で視神経がダメになってしまうので、時間との勝負でもある病気です。

わんちゃんで多い病気ですが、ねこちゃんもなる病気です。

最後に

眼科の病気は名前は聞いたことがあるけど、意外とどんな病気かよくわからないということも多いのかなと思って代表的な病気を解説してみました。

それだけ人と共通した病気が多いということでもあるかなと思うのですが、総じて動物さんの方が症状が激しいことが多いです。

へぇーっと思ってもらえたら幸いです!

それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!

執筆者

2010年 北里大学獣医学部卒業

大阪、東北の動物病院を経て、

2015年~2016年 北里大学附属小動物医療センター研修医

2016年~2024年 大阪市内の動物病院の開業業務にたずさわり、院長として勤務

2024年 オンラインどうぶつ病院Talkvets立ち上げ

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